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三宅一生の新たな挑戦、「REALITY LAB 再生・再創造」展(2/3 ページ)

東京・六本木の21_21 DESIGN SIGHTで、三宅一生氏ディレクションによる展覧会が開催されている。手作業とともに高い技術が受け継がれてきた日本のものづくりの現場が、これまで以上に存続が難しくなってきている現状に目を向け、真摯に捉え直す機会を与えてくれる。

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エキサイトイズム

 「132 5.」で使用している布は、テイジンの再生ポリエステルに改良を加えたもの。さらに、折りたたんだ状態で箔プリントを施してあるため、衣服として着用すると、光沢がアクセントとなり輝きを増す。

 糸の開発から生地が織られて衣服の形になるまでの、気の遠くなるような過程については、米本直樹×平野まゆ/テムジン+浅葉克己による映像ドキュメンタリー作品「『再生・再創造』 その先に、何が見えるか」(約25分)で丁寧に紹介されている。日本各地の製造現場、そこにいる人々の表情、そして彼らがどのようにものづくりに取り組んでいるのかがよく分かる内容だ。

エキサイトイズム

 「132 5.」の複雑な造形が生まれた背景には、筑波大学准教授、三谷純氏との出会いがあった。三谷氏は小さいころからペーパークラフトが好きで、半ば趣味の延長線上で、立体折り紙を簡単に設計できるソフトウェアの開発を行ってきた。この三谷氏のソフトウェアを使って、Reality Lab Project Teamはさまざまな造形を作り出し、最終的に10の基本パターンを完成させたのだ。

 しかし、三谷氏自身も予想もつかなかったのは、立体の造形を畳んで平面にするという「132 5.」独自のアイデアだ。収納や旅行にも便利に使えるようにという配慮は、つねに「実用化」を視野に入れてプロジェクトが進行していたことをあらわす。

エキサイトイズム

 「132 5.」という数字には、1枚の布が立体=3次元になり、再度、平面=2次元へ戻る過程、そして「5」には衣服になって人の身体と寄り添い、時間や次元を越えた存在になるという意味合いが込められている。すでに「132 5.」は表参道店での販売が始まっている。

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