学生の本音は画面に? 2011年の就職トレンドは“ソー活”(3/4 ページ)
長引く不況の影響を受け、就活生が苦しんでいる。明るい材料が見つからない中、新たな動きが出てきているという。就職情報サイト「リクナビ」の編集長を務める岡崎仁美氏に、イマドキの就職事情を聞いた。
学生の就職率が上がるかもしれない
――オンラインセミナーを行うことで、どのような変化が出てきているのでしょうか?
従来の会社セミナーでは会場の地理的・物理的制約により参加者が限定され、また内容も企業からの説明が中心だった。なので学生の発言機会は質疑応答に限定されていた。企業側が「最後に質問ありますか?」と聞いても、そこで「はい」と手を挙げる学生は少ない。
しかしある会社のオンラインセミナーでは、単にセミナーの様子を流しただけではなくて、画面上にチャット機能を加えた。そうすると学生は話を聞きながら、ネット上にどんどん書き込んでいく。こうした機能を加えることでリアルな場よりも、よりリアルな双方向コミュニケーションができている。オンラインセミナーを開いた複数の企業に聞いたところ、「参加した学生の85%が発言した」という結果が出ている。また1人当たりの発言回数は8回だった。こうした学生の積極的な発言は、従来のセミナーと大きく違うところだ。
――今後もオンラインセミナーは普及していくと思われますか?
岡崎:学生と企業がオンラインセミナーの場で「コミュニケーションを作っていく」のではないだろうか。ただすべての業界で展開されていくのには、まだまだ時間がかかるだろう。
“就職が厳しい”といわれている中で、学生と企業のミスマッチはたくさん生じている。このミスマッチを解消するのには学生だけでなく、企業も課題として感じている。就職難と採用難が同時に進行していて、「採用活動をしているけど、いい学生が採れない」という企業も多い。こうした悩みを抱えている企業は、双方向のコミュニケーションが生まれやすいツールを使えばいいのではないだろうか。
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