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トルコ航空で“空のシルクロード”を行く秋本俊二の“飛行機と空と旅”の話(3/4 ページ)

今年はどこへ旅しようか? ゴールデンウィークや夏の休暇に向け、早くもあれこれプランを練っている人も多いだろう。世界は広い。どのエアラインでどこを目指すかで、旅のスタイルも経験できる内容も変わってくる。2011年にぜひ候補の1つに加えてほしいのが、“空のシルクロード”を行くトルコ航空での旅だ。

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プロの料理人が上空でフルサービス

 シアトルからイスタンブールへのフェリーフライトには、世界各国から招待された約30名の記者たちが同乗していた。米国人、ブラジル人、コロンビア人、ドイツ人、フランス人、オーストリア人、スペイン人、チェコ人、ウクライナ人など、顔ぶれもいろいろだ。機材の搬送だけを目的とするフェリーフライトには普通、パイロットと整備士のほか、ごく少数の関係者しか乗らない。しかしこの日は、通常の営業フライトと同様に客室乗務員も乗務。さらに「フライングシェフ」と呼ばれるプロの料理人もいっしょに乗り込み、招待客1人ひとりにフルサービスが提供された。

飛行機と空と旅
代表的なトルコ料理として知られるケバブ。スパイシーな風味が食欲をそそる

 トルコ料理は中華、フレンチと並ぶ世界三大料理の1つである。機内で提供される本場の味を、トルコ航空のフライトを利用するときの楽しみにしている人は少なくない。レシピを担当するのは、欧米で高級レストランやブティックホテルなどを展開する総合フードビジネス企業のDo&Coだ。同社はF1チームのVIPラウンジのケータリングサービスなども手がけている。そのDo&Coのシェフが実際のフライトに搭乗し、ビジネスクラスとコンフォートクラスで乗客へのメニューの説明や料理の盛りつけなどを行う「フライングシェフ」のサービスを、トルコ航空は2010年夏から開始した。

飛行機と空と旅
トルコ航空のフライトには客室乗務員とともにプロの料理人が乗ってサービスに当たる。右下の写真はイスタンブール空港に隣接するDo&Coの調理現場だ

 離陸後、シェフたちは機内のギャレー(調理室)で、微妙な温度調整をしながら料理の最終仕上げを行う。客室乗務員へのサービス指導なども彼らの重要な仕事だ。もちろん、自らもサービスに当たる。キャビンの通路でそれぞれの乗客の注文を聞き、前菜を取り分ける作業を進めながら、シェフの1人が私に言った。

「お客さまにお出しする料理は地上で調理されますが、機内に積み込まれる段階ではまだ完成していません。上空で温め、盛りつけることによって機内食は完成します。その最後の仕上げには、やはりプロの腕が必要なんですよ。搭乗していただいたお客さまに最高の状態で料理を楽しんでいただくために、私たちはお客さまといっしょに空の旅を続けています」

飛行機と空と旅
乗客の注文を聞いて前菜を取り分けながら、シェフの1人が取材に応じてくれた

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