コラム
企業&組織の“安定度”計算式を作ってみた:ちきりんの“社会派”で行こう!(2/2 ページ)
就職活動において、志望企業の安定志向が高まっているという現代の学生たち。どんな企業が安定していると考えられているのか分かりやすくするため、ちきりんさんが企業の安定度を数値化してみました。
個別のリスク要因
そして最後に、個別のリスク要因を掛けてみましょう。以下の項目のうち、当てはまるものが1つの場合は70%、2つ当てはまる場合は50%、3つ以上当てはまる場合は30%を掛けて下さい。
- 過去数年、赤字である(民間企業の場合)
- 過去数年、定員割れである(大学などの場合)
- 財政再建団体への転落が懸念されている(地方行政団体の場合)
- その域内にある公的病院や学校、公的施設である
- “仕分け”に、かけられる可能性がある(独立行政法人などの場合)
- 筆頭株主が投資ファンドである
- 継続的かつ大幅に“ネットサービス”に顧客をとられている(旅行社、新聞社、書店など)
- みなし管理職問題、過労死、労働基準法違反などで訴訟になったり、監督官庁の指導、懲罰を受けた
以上です。みなさんの今勤めている会社や、就職・転職を考えている会社の数値はどのくらいだったでしょう?
これらの基準をもとに計算すると、公務員以外で「安定した会社」となるのは、「昔からある古くて大きな会社」となります。しかし、変化の時代には、必ずしも「古くて巨大な組織」が生き残りやすいわけではありません。
これからの世の中が「大きく変わる!」と思うか、それとも「今までと大きくは変わらない」と思うのか、それによって何を「安定している」と感じるかは大きく異なるのかもしれません。
そんじゃーね。
著者プロフィール:ちきりん
兵庫県出身。バブル最盛期に証券会社で働く。米国の大学院への留学を経て外資系企業に勤務。2010年秋に退職し“働かない人生”を謳歌中。崩壊前のソビエト連邦など、これまでに約50カ国を旅している。2005年春から“おちゃらけ社会派”と称してブログを開始。著書に『ゆるく考えよう 人生を100倍ラクにする思考法』がある。Twitterアカウントは「@InsideCHIKIRIN」
関連記事
- ワークライフバランスについてのビミョーな違和感
ここ数年、ワークライフバランスという言葉を、メディアなどで目にする機会が増えているという人は多いでしょう。しかし、ちきりんさんはワークライフバランスの議論には“微妙な違和感”を覚えると主張、その理由とは……? - “あるべき論”とはお別れ、これからはゆるく考えよう!
高度経済成長期のように、今後の大幅な発展が望めなくなっている日本。そんな時代の変化に合わせて、これまでは当たり前だった考え方から抜け出す必要がある、とちきりんさんは主張します。 - 労働組合って必要なんだけどね
組織率が20%を切るまでに衰退している労働組合。しかし、縮小しつつある市場もある現代だからこそ、労働組合は必要だとちきりんさんは主張。そのためには、時代の要請に応じて使命を定義し直すことが重要だと説きます。 - 「ちきりんの“社会派”で行こう!」連載バックナンバー
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.