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コラム

なぜハンブルクは環境政策に熱心なのか松田雅央の時事日想(4/5 ページ)

環境への取り組みが評価され、EUから「2011年EU環境首都」に選ばれたドイツ・ハンブルク。ドイツの北部に位置するハンブルクは、なぜ環境政策に力を入れているのか。その背景には商工会議所などの存在が欠かせないようだ。

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参加のメリット

 さて、企業にとって環境パートナーシップへの参加はどのようなメリットをもたらすのだろう。

 何しろわずか0.5%の選ばれし企業であるから、認められること自体が大変な名誉といえる。それもEU環境首都ハンブルクの環境パートナーなのだから、環境優良企業としてのPR効果は世界に通用する。環境パートナーシップ参加企業はWebサイト、パンフレット、広告などにロゴを使用することが許される。

 また、ハンブルク市が作成するWebサイト上に参加企業の検索システムがあり、これは誰でも利用することができる。ハンブルク市内に優れたビジネスパートナーを探す際、役立つ仕掛けだ。

EU環境首都ハンブルクのロゴ(左)、ハンブルク環境パートナーシップのロゴ(右、出典:Hamburg)

 この他、パートナーシップ参加企業限定のセミナーや意見交換会が催され、展示会などの参加機会が増えるといった利点もある。さらに、市と商工会議所が提供する「環境アドバイスサービス」を無料で利用できる特典も用意されている。これは商工会議所の専門職員や外部委託の専門家が事業所を訪れて省エネの問題点を洗い出し、なるべく資金をかけず、しかも即効性のある省エネプランを具体的にアドバイスしてくれるサービスだ。

 大企業であれば独自のスタッフが環境対策に当たれるし自由になる資金も豊富だが、中小企業はそういうわけにいかず、特に中小企業を対象とした実用的なサービスである。


環境アドバイスサービスの冊子から「中小企業向け省エネアドバイザー」。申し込み用のハガキ(左)もセットになっている(出典:Handelskammer Hamburg)

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