コラム
警察小説の作り方が変わったワケ――ここでも団塊世代の影響か:相場英雄の時事日想(3/3 ページ)
テレビドラマや小説で、警察組織などを扱った“警察モノ”が増えている。かつてよく目にした「取調室にカツ丼」といったシーンは少なく、警察関係者しか知らないディテールにこだわった作品が目立つ。こうしたブームの裏側には、捜査員たちの悲痛な嘆きも込められているようだ。
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情報を提供してくれる警察関係者
このところ、日本の犯罪検挙率は低下の一途をたどっているが、現場の捜査員たちの間では、スキルを後進に伝授・継承しようと、国家公務員法や地方公務員法に抵触するのを承知の上で、情報を提供してくれる向きも少なくないのだ。
警察小説で定評のある先達作家、あるいは筆者の元にも、小説や漫画を通して、後進に捜査現場の機微を伝えようと接触を図ってくださる警察関係者が多数存在する。筆者は専業作家であり、需要の高い“警察ブーム”に便乗しようと明確な商売根性を抱いている。ただ、作品を創り出す過程で出会った多数の現場の声には真摯(しんし)に向き合い、これを作品に生かす努力は惜しまないつもりだ。
他の作家、あるいはドラマのスタッフも同じような感触を得ているはずだと筆者は考える。ブームの中で、現場の声を盛り込んだ作品があることを知っていただけたら幸いだ。
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