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コラム

原発事故! すべての責任は“東電だけ”にあるのか藤田正美の時事日想・特別編(3/3 ページ)

東日本大地震の影響を受け、福島第一原子力発電所での事故が深刻化している。東京電力の対応の遅れ、情報の遅れなどが指摘されているが、この深刻な事態をいち企業だけに任せていいのだろうか。

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ロス地震で活躍したFEMA(連邦危機管理庁)

 神戸大地震の前年、米国でロス地震があったとき、FEMA(連邦危機管理庁)が大活躍をした。救援活動、復興活動などで他の組織(州や郡の役所、警察、消防、軍、州兵など)をすべて統括する指令機関になった(日本でもこうした組織をつくろうという構想はあったが、立ち消えになっている)。そうした組織があって、その1つの組織として原子力に関する専門家集団がいればいい。

 ついでに言えば、FEMAのような組織が、情報を集約して人員の配置から物資の輸送まですべての責任を負っていれば、問題になっている燃料不足などは防げたかもしれない。陸路も海路からもガソリンや灯油を運ぶことは可能だし、どこの港を使うかどうかが決まっていなくても船を現地に向かわせるぐらいのことができるからである。

 100年に一度の災害に備えなければいけないのかという議論もあるだろうが、大災害に見舞われたときに訓練された組織がなければ間に合わない。このことを忘れてはならないと思う。

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