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記者クラブを閉ざしてきた、大手メディアの罪と罰烏賀陽弘道×窪田順生の“残念な新聞”(6)(2/4 ページ)

ここ数年、日本のメディアが“記者クラブ問題”に揺れている。フリーライターなどが開放を訴えても、なぜか大手メディアは拒み続ける。その背景には一体どんな問題が潜んでいるのだろうか。

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次のメディアが現れない


窪田順生さん

窪田:新聞に代わって、権力を監視する組織は見つからないですね。

烏賀陽:次のメディアが現われて来ないと困るのに、全く出て来ない。田んぼの真ん中で、バスを待っている状態ですよ。もう陽が暮れて寒くなっているのに、バスのヘッドライトの明かりすら見えてこない(笑)。

 フリーの記者さんたちが「自由報道協会(仮)」という組織を立ち上げ、さまざまな会見を開いている。2009年に政権交代して、記者クラブが開放するのではないかという期待感があったが、一気にひっくり返された。そして2010年は記者クラブ開放は、ずっと停滞していたた印象がある。

 2011年はそうした停滞をなんとしなければいけない。「ポスト記者クラブ元年」にしなければいけないと思う。自由報道協会(仮)が立ち上がり、やっとバスのヘッドライトの明かりが見えてきたかなと思っていますね。

窪田:バスの明かりが違う方向に行かないように、運営する人たちにはがんばってもらいたいですね。

烏賀陽:僕も自由報道協会が主催する、民主党元代表・小沢一郎の会見に参加したのですが、彼はものすごくリラックスしていましたね。あまりにもリラックスしていたので「官房副長官のときに、記者クラブの誰に機密費を渡しましたか?」と聞けばよかった(笑)。ひょっとしたら教えてくれたかもしれない(笑)。

窪田:自由報道協会のような動きがどんどん出てくると、日本のメディアも変わってくるでしょうね。そもそも記者クラブの理念というのはフラットだったはず。フラットな立場の中で、権力者に対し“ブスッ”とトドメを刺さなければいけないのに、今の記者クラブはフラットでもなく、ブスッと刺すことも少なくなった。外にいる第三者からすると、プロレスのショーのように見えてしまう。

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