3月11日、ビジネスパーソンは何をしていたか
東日本大震災が発生したとき、関東圏で働くビジネスパーソンはどのような行動をしたのだろうか。「帰宅した」人は74.1%に対し、「泊まった」は23.9%だった。労務行政研究所調べ。
東日本大震災が発生したとき、関東圏で働くビジネスパーソンはどのような行動をしたのだろうか。「帰宅した」人は74.1%に対し、「泊まった」は23.9%であることが、労務行政研究所の調査で分かった。「泊まった」という人は「会社」(73.3%)が最も多く、次いで「知り合いの家に泊まった」(15.4%)、「外部の宿泊施設に泊まった」(5.4%)という結果に。「帰宅困難な状況下で、ホテルや旅館に泊まることができた人は、ごく一部に限られることが分かった」(労務行政研究所)
震災当日(震災翌日も含む)に帰宅したビジネスパーソンに、その手段を尋ねたところ「徒歩のみ」(37.7%)が最も多く、次いで「自動車」(22.9%)、「自転車」(13.9%)、「交通機関(バスや電車などの復旧を待った)」(13.5%)と続いた。ちなみに「タクシー」だけで帰宅できた人は、わずか2.7%。「特に都内では、震災によって道路が著しく渋滞していたため、タクシーが全く捕まらない事態となっていた」(労務行政研究所)
震災後に、不安に感じていること
震災後、不安に感じていることは何ですか? この質問に対し「原発事故の影響による自分や家族の健康被害」(51.7%)と「余震や再びの天災にどう備えるか」(49.0%)と答えた人が目立った。このほか「自粛ムードに伴う営業の落ち込み」(24.0%)、「生産活動、営業活動が当面落ち込む見込みであること」(19.9%)、「計画停電により、事業運営が困難となっていること」(17.0%)など、ビジネスパーソンならではの不安も見られた。
震災の経験を踏まえ、会社に要望したいことを聞いたところ「マニュアルの作成」「有事に備えた物品の備蓄」「オフィスの補強、整備」「出勤困難への対応」「連絡体制」などを挙げる人が多かった。
インターネットによる調査で、関東圏に住むビジネスパーソン412人が回答した。調査期間は4月6日から7日まで。
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