2011年度の企業業績見通し、東日本大震災で明暗分かれる
帝国データバンクは「2011年度の業績見通しに関する企業の意識調査」を発表。それによると、2011年度の業績見通しを「減収減益」とした企業は33.2%と、「増収増益」とした企業の20.7%を12.5ポイント上回ったことが分かった。
帝国データバンクは5月9日、「2011年度の業績見通しに関する企業の意識調査※」を発表した。それによると、2011年度の業績見通しを「減収減益」とした企業は33.2%(前年度比4.6ポイント増)と、「増収増益」とした企業の20.7%(同7.3ポイント減)を12.5ポイント上回ったことが分かった。
業種別に見ると、「増収増益」の割合が高かったのは「不動産」(24.8%)や「製造」(22.8%)、「減収減益」の割合が高かったのは「農・林・水産」(42.1%)や「金融」(39.2%)だった。地域別に見ると、特に「東北」で「減収減益」とした企業が45.1%と高くなっていた。
業績の上振れ・下振れ材料は?
2011年度業績の上振れ材料として、挙げられた割合が最も高かったのは「東日本大震災にともなう需要の増加」で41.6%。以下、「外需の好調維持」「原油・素材価格の動向」がそれぞれ23.4%、「政策支援」が15.7%、「為替動向」が15.6%、「株式市況の好転」が13.9%で続いた。
一方、2011年度業績の下振れ材料として、挙げられた割合が最も高かったのはこちらも「東日本大震災による被害」で55.9%。以下、「個人消費の一段の低迷」が48.3%、「原油・素材価格の動向」が40.2%、「所得の減少」が29.6%、「雇用の悪化」が21.6%で続いた。
個別の声を見ると、「ここ数年、海外に依存していた北海道の観光業界にとって今回の原発事故は死活問題」(旅館・ホテル、北海道)や「被災地以外の地域では公共工事が減少する」(建設、佐賀県)など、東日本大震災による直接被害だけでなく、間接被害を挙げる企業が多かった。
関連記事
- 大企業の正社員、3割は会社を辞める
東日本大震災の発生以降、「今後どのように働いていけばいいのか」と考えるビジネスパーソンも多いのでは。ポスト大震災の働き方について、人気ブロガーのちきりんさんと人事コンサルタントの城繁幸さんが語り合った。 - 震災関連倒産、4月末までに66社――阪神・淡路大震災の3倍
帝国データバンクによると、東日本大震災の影響を受けた倒産は、4月30日時点で66社(負債総額371億300万円)。震災後約1カ月半で22社判明した阪神・淡路大震災の3倍となっていることが分かった。 - 福岡のイベント会社、東北関東大震災関連で全国初の倒産
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.