なぜ企業は中途採用に消極的なのか?:ちきりん×城繁幸の会社をちゃかす(3)(4/4 ページ)
日本の多くの企業は若い人を採用する一方で、高齢者を敬遠する傾向がある。流動的な社会にするためにはこのシステムを変えていかなければいけないが、なかなか進まない。その理由について、ちきりんさんと城繁幸さんが語り合った。
城:育児休業を取得してしまうと、出世をあきらめなければいけないケースが多い。例えば45歳の男性で今後の出世が望めない人であれば取得することを考えるかもしれませんが、30歳の人ではなかなか難しい。
ちきりん:23歳で働き始め、定年が65歳だとすると、会社で42年間も勤め続けなければいけない。その間にほんの少しの休みしかとらずに、働き続けるというシステムはちょっとおかしいですよね。
城:多くの人はちきりんさんと同じ考えだと思います。でないとこんなに「閉塞感」という言葉を口にしないですから。
ちきりん:長期休暇をとったりすると、出世ラインに戻れなくなるので仕方なく働いている――ということですね。そんなに長期間、長い休みも取らず我慢していれば、体調を崩す人が出てくるのも仕方がありませんね。
城:確かに。さらに転勤の可能性もあります。住む場所も選べないというのは、精神的な負担がありますよね。
ちきりん:子どもが大きければ父親だけ単身赴任したりする。家族と離れてまで、別の場所で住むなんて……やっぱりおかしいですよ。
→続く。
プロフィール:城繁幸(じょう・しげゆき)
人事コンサルタントを務めるかたわら、人事制度、採用などの各種雇用問題において、「若者の視点」を取り入れたユニークな意見を各種メディアで発信中。著作に『若者はなぜ3年で辞めるのか?』『3年で辞めた若者はどこへ行ったのか−アウトサイダーの時代』『7割は課長にさえなれません 終身雇用の幻想』ほか。
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プロフィール:ちきりん
兵庫県出身。バブル最盛期に証券会社で働く。米国の大学院への留学を経て外資系企業に勤務。2010年秋に退職し“働かない人生”を謳歌中。崩壊前のソビエト連邦など、これまでに約50カ国を旅している。2005年春から“おちゃらけ社会派”と称してブログを開始。近著に『ゆるく考えよう 人生を100倍ラクにする思考法』。Twitterアカウントは「@InsideCHIKIRIN」
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