連載
チョコから恵方巻まで……習慣を根付かせるための隠し味とは?:郷好文の“うふふ”マーケティング(3/3 ページ)
ふとしたきっかけで作った“パスタ焼きそば”が意外とおいしいことに気付いた筆者。商品そのものの質も大事だが、それ以上にその商品やサービスを習慣として根付かせることがマーケティングでは重要と分析、そのための方策を検討してみた。
習慣には「楽しい!」が効く
これらを習慣戦略ポジショニング図で整理しよう。
タテ軸は習慣が顕在化しているか・潜在的か、ヨコ軸は時々の習慣か・頻繁にやる習慣か。貴社の商品が今はどのポジションで、どこに移行させたいか。それを考えて適切な打ち手を選ぼう。
新奇な商品やサービスは「カリスマ」→「洗脳」→「中毒」が定石。「カンタン」と「希望」、「カンタン」と「脅し」はセットで打たれるケースが多い。「ついで」は顕在かつ頻繁習慣作りに、「言葉遊び」はすべての戦略で用いられる。
だが、多くの人は『7つの習慣』を丹念に読んでも、「習慣は大切だ」と思うことだけが習慣になる。習慣戦略で最も有効なのは、論より証拠、現物の「お試し」である。そこにどう誘うかに知恵を絞りたい。
そこで大事なのは「楽しく参加させる」こと。cherryさん作の“猫の恵方巻”と“猫のロールケーキ”を見てほしい。「恵方巻ペットコンテスト」や「ウチの猫自慢 ロールケーキ大会」を開いてはどうか。売る前に楽しくさせる――これが習慣作りの最大の戦略である。
関連記事
- “私のリクエスト”で稼ぐ、新たなラジオビジネス
米国人口の3割のユーザーを抱えるネットラジオのパンドラ。先日の上場で時価総額26億ドルの企業となったが、その人気の秘密は“リクエストビジネス”にあるようだ。 - ドクロの数珠を若者に――「祈りの多様化」に商機あり
ドクロデザインの数珠や一番摘み静岡新茶のお線香など、ユニークな仏具関連商品を展開するお仏壇のやまき。浅野秀浩社長が商品開発に取り組んだ背景には、「業界は若い人向けの商品を作っていなかった」ことに責任を感じたからだという。 - 若者よ、ストップモーションから抜け出そう!――夢を応援基金CM
ローソンが被災地学生の学費を支援する「夢を応援基金」をPRするため、たった2回だけ放映されたCM。ストップモーションの学生たちが一斉に動き出すという映像はどのようにして作られたのだろうか。 - 郷好文の“うふふ”マーケティングバックナンバー
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.