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コラム

“ボールを持っていない時の考え方”であなたの能力は決まる(2/2 ページ)

現実の自分は何かと迷い、悩み、揺らぐものである。そうした時、自分を導いてくれるのはほかならぬ理想の自分、目的を覚知した自分、全体を冷静に俯瞰する自分である。心理学ではそれを「メタ認知」といい、世阿弥は「離見の見」と言った。

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もう1人の自分をこしらえるのに大切な3つのこと

 さて、冒頭の長沼さんの言葉。彼は結局、「優れたプレーヤーというのはボールが自分のところに回ってきた時だけ、局所的・分業的に高度な技術を発揮できればよいと考える人間ではなく、ボールがどこにあろうが、ピッチ全体を見渡す視点からゲームを眺め、大局的な判断から献身的に、時に犠牲的に動き回る人間のことだ」と言っているのだ。

 やはりこれも、高台にいる想像上のもう1人の自分が、ピッチでプレーする現実の自分と常に高速でやりとりをしながら、瞬間瞬間にベストと考えるプレーを行うというメタ認知能力を駆使している姿である。

 スポーツにせよ、芸術にせよ、そしてビジネス現場の仕事にせよ、高台から自分を見つめるもう1人の自分をこしらえることは、きわめて重要な能力となる。では、その高台のもう1人の自分をこしらえるためには、具体的にどんなことが必要になるのか――それは次の3つのことが挙げられる。

 1つ目に飽くなき向上心を持って、理想の自分像を思い描くこと。2つ目に関わるプロジェクトに関し、大きな目的(何を目指すのか+なぜそれをやるのか)を持つこと。3つ目にたとえ部分的に関わっていることでも、全体の責任を担うという責任者意識、当事者意識、オーナー意識を持つこと。

 ――これら3つを意識したもう1人の自分をこしらえたなら、現実の自分を高台から叱咤激励し、きっと自分が予想もしなかった高みに引き上げてくれるに違いない。(村山昇)

 →村山昇氏のバックナンバー

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