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脱原発、あなたは賛成しますか?原口一博×武田邦彦 それでも原発は必要か(4)(3/4 ページ)

ある調査によると、約7割が「原子力発電を段階的に減らして将来はやめる」ことに賛成した。多くの人が「脱原発」と考えているようだが、電力不足になることでさまざまな問題が起きていることも忘れてはいけない。原口一博氏と武田邦彦氏による対談4回目。

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脱原発の方向に進むべき

原口:原発事故が起きてから「縮こまろう、縮こまろう」といった雰囲気が漂っています。しかしこれは間違い。

武田:ですね。僕は資源材料工学を専門にしていますが、石炭は1000年は枯渇しないと思っています。もちろんいろんな意見がありますが、「200年は枯渇しない」という意見にはほとんどの人が合意するでしょう。もちろん太陽光や風力エネルギーは大切ですが、まずはできることとして石炭を使ってみてはと思っています。

 原発を動かし続けている限り、国民の不安はぬぐえません。そこで石炭火力を造り、自家発電を復活させてみてはどうでしょうか。大企業では自家発電ができる、といったシステムを構築すべきだと思っています。

 名古屋の地元テレビ局はこんなアンケートを行いました。「あなたはクーラーをとめますか? 原発をとりますか?」と聞いたところ、70%は「クーラーをとめます」と回答しました。このアンケート結果をみると、多くの人は我慢していることが分かりました。でもこうした状態というのは頭の中に“暗雲”のようなものが、たちこめているんですよ。そして気分的に「縮こまろう、縮こまろう」となってしまう。

原口:その通りだと思います。福岡県の博多区は玄海原発から50キロほどしか離れていません。なので他府県から企業や人が来なくなるのではないか、と懸念されています。もし玄海原発で福島第1原発クラスの事故が起きてしまうと、強制避難区域に指定されるかもしれない。「そんなところには行きたいない」という人がいても不思議ではない。

 原発からの距離によって、自分たちの命の価値が決まるというのはあってはならないことです。

武田:その通りですね。


玄海原発の外観図(出典:九州電力)

(A)に玄海原発がある(出典:Google マップ)

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