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コラム

ノルウェーで起きた無差別テロ! そして人は2つのことを考える松田雅央の時事日想(2/3 ページ)

ノルウェーの首都オスロで爆弾テロ、そしてオスロ郊外の小さな島で銃乱射事件が起きた。今回のような突出した事件はまれだが、ことあるごとにある疑問が欧州市民の頭に浮かぶ。その疑問とは……。

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テロといえばアルカイダ

 今回の情報混乱は、期せずして欧州市民の心に刷り込まれたアルカイダへの恐怖心を浮き彫りにした。アフガニスタンに展開する国際治安支援部隊(ISAF)は北大西洋条約機構(NATO)が統括し、ノルウェー軍も500人近くが展開している。ノルウェーを含め、ほとんどの欧州諸国がアルカイダのテロ目標になる潜在的可能性がある。

 筆者の住むドイツにもアルカイダの脅威は暗い影を落としている。テロの対象となるのは主に政府機関、金融機関、繁華街、空港、駅など多数の人が集まる場所。カールスルーエ市は人口28万人の中核都市で、ドイツの最高裁判所と憲法裁判所という2つの最高司法機関があり、標的にされてもおかしくない。

 テロの事前情報は必ずしもすべてが大々的に発表されるわけではなく、中央駅で自動小銃を下げた武装警官を見て「何かありそう」と気付くこともある。2010年半ば以降、アルカイダの活動が活発化し、在独日本人向けに大使館から注意を促すメールが届いたこともある。

 欧州市民は「ことによると身近にテロが起きるかもしれない」という緊張感を、どこかしら抱いている。


スイスの機動隊

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