中国人が、“日本バッシング”をするにはワケがある:Wu Yuの中国版“新人類”とうまく付き合う方法(4/5 ページ)
中国コミュニケーションの極意を伝える本連載。中国流ビジネスと日本流ビジネスの“ギャップ”をご紹介した前回に引き続き、ビジネスシーンでのささいな誤解が、「日本バッシング」のようになってしまった具体的な事例をご紹介していく。
中国人からのバッシングを避けるには「顔」を見せろ
では、このような「ボタンの掛け違い」から生じるバッシングを避けるにはどうすればいいのでしょう?
ひとつの方法は、「顔」を積極的に出していくということです。
先ほどのAさんが中国を去る際、私は中国人として唯一送別会に参加したおかげで、Aさんの意外な「顔」を見ることができました。お酒が入っていたことと、ようやく母国に戻れるという安心感もあったのでしょう。リラックスしたAさんは自身のプライベートな悩みや、会社から求められている成果に対するプレッシャーなどを私に打ち明けてくれました。
そして、私たちに24時間対応を求めていた時も、単に仕事を丸投げしていただけではなく、自分自身も24時間対応をしなくてはとともに徹夜をしていたことも知りました。最後にAさんはこう言ってくれました。
「いろいろ、無理なお願いばかりして、すみませんでした」
そこにいたのは「仕事のロボット」などではなく、私たち中国人と同じく、いろんな悩みや重圧を抱えながらも、自分の仕事にプライドをもって一生懸命働くひとりのかわいらしい女性でした。
仕事中には決して見せない、彼女の穏やかな顔をみて私は思いました。もっと早くにこういう「顔」をみせてくれれば、他の中国人から誤解されることもなかったのに――。
確かに、中国人はプライベートを優先するワーキングスタイルですが、その一方でチームワークを大変重視するところもあります。
なぜ自分がそこまでバリバリ働かなくてはいけないのか。そして、パートナーとして私たちに何を求めているのか。単に仕事をお願いするだけではなく、Aさんがそのような悩みも打ち明けて積極的に「顔」をさらけ出し、 パートナーとして私たちに協力を求めれば、もっと仕事も円滑にすすんでいたのではないでしょうか。
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