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「4000円のシャツが高い」と感じる、イマの世の中はヘン?城繁幸×赤木智弘「低年収時代よ、こんにちは」(5)(3/5 ページ)

高いモノにこだわらず、むしろ安くていいモノにこだわる――。こうした消費者が増えてきているが、背景にはどういった要因が潜んでいるのだろうか。人事コンサルタントの城繁幸さんとフリーライターの赤木智弘さんが語り合った。

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城:ですよね。ネット上で、複数の人間がゲームなどで遊ぶことができる。わざわざ一カ所に集まらなくても、いろいろな遊び方ができますよね。

赤木:居酒屋などに人が集まる理由がなくなってくるんですよ。その居酒屋でも1品200円台といったスタイルの店が増えてきました。安いモノで楽しむということが、恥ずかしくなくなりましたね。。

 高いモノを持つことがステータスだった時代はありましたが、それ自体もなくなってしまった。高いモノを持っていることがステータスにつながる時代であれば、そこで安いモノを選ばないことがありました。しかし今は安いモノを選ぶことが恥ずかしいことではない。

 「安いモノがいい」と言っていると、まるで「労働を奪っているのではないか」などと批判する人がいます。しかし高いモノを買えば、日本の会社は海外から戻ってくるかといえば、絶対に戻ってこない。

城:ですね。


低価格スタイルの居酒屋が増えてきている(写真と本文は関係ありません)

中産階級の価値観が、世界的に変化してきている

城:中産階級の価値観が、世界的に変化してきているのではないでしょうか。例えばドイツに行ったとき、ある経営者はこのように言っていました。「最近の若いドイツ人は、ポルシェを買わなくなった」と。

 ベンツやBMWは車種がたくさんあって、価格もピンきり。ドイツでは普通にベンツが走っていますが、ポルシェは違う。40代のドイツ人男性は「将来はポルシェに乗る」という夢をもっている人が多い。しかし若い世代で、そう思っている人はほとんどいないそうです。

 このことを聞いたとき、ドイツも日本もよく似ているなあと思いましたね。どちらの国も保守化というか草食化が進んでいる。

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