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「4000円のシャツが高い」と感じる、イマの世の中はヘン?城繁幸×赤木智弘「低年収時代よ、こんにちは」(5)(4/5 ページ)

高いモノにこだわらず、むしろ安くていいモノにこだわる――。こうした消費者が増えてきているが、背景にはどういった要因が潜んでいるのだろうか。人事コンサルタントの城繁幸さんとフリーライターの赤木智弘さんが語り合った。

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赤木:日本にも昔はありましたよね。「いつかはクラウン」といったフレーズが。しかしそうした考えをもっている人はどんどん少なくなって、クルマに憧れる人も少なくなってしまった。

 その一方で、自分のクルマに好きなキャラクターをラッピングして、いわゆる“痛車”のような文化が芽生えた。つまりクルマというよりも、そのラッピングしたクルマで自分というものをアピールする人がいる。

 ニコニコ動画のコミュニティには、車載動画というものがあります。クルマの中にビデオカメラを搭載し、自分がドライブしている風景を録画して、それをネット上にアップする。クルマそのものがステイタスというよりも、彼らはクルマという道具を使ってコミュニケーションを図っています。

城:もちろん今でも、ステイタスとしてクルマを買ったり、海外旅行に行ったりする人も存在しています。しかし日本やドイツでかつて起きていたブームのようなものは、今、中国やインドに流れていっています。

赤木:経済が発展してくれば、高いモノにステイタスを感じる人は多くなってくるでしょうね。高度経済成長期には高級なクルマに乗ったりするのが、ステイタスでした。しかし今の日本は違う。中国やインドといった経済が発展している国では、それがステイタスになっている。

 日本人の中から高級志向が消えたのではなくて、単に経済的な状況から今の流れが生まれているのではないでしょうか。


トヨタ自動車のクラウン

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