「4000円のシャツが高い」と感じる、イマの世の中はヘン?:城繁幸×赤木智弘「低年収時代よ、こんにちは」(5)(5/5 ページ)
高いモノにこだわらず、むしろ安くていいモノにこだわる――。こうした消費者が増えてきているが、背景にはどういった要因が潜んでいるのだろうか。人事コンサルタントの城繁幸さんとフリーライターの赤木智弘さんが語り合った。
城:僕の知り合いで、大企業で勤めるサラリーマンが大勢います。彼らの年収は1000万円を超えている。独身なので高いモノでも買っているのかな、と思ったらそうでもない。最近、高い買い物をしましたか? と聞いたところ「Xbox 360、プレイステーション、Wiiを買った。最近ではそれが一番高い買い物かな」と言っていました。もちろんクルマは持っていなくて、彼らは家の中で好きなことをやって時間を潰している。たくさんの給料をもらっている層も、価値観が変わってきているのかなという気がしています。
今、中国やインドではクルマが売れていますが、やがて日本のようにクルマを購入することにあきてくるのでは、と見ています。
赤木:今の日本では、高級車に乗っていてもアピールにはなりません。むしろ高級車に乗っていることがバカバカしいといった雰囲気があるのではないでしょうか。多くの人がそう感じている限り、高級車は売れないでしょうね。
なので高級車を買うより、プリウスを買う。燃費のいいクルマを買えば「環境に優しいと」いった点をアピールできるのからではないでしょうか。
城:米国のハリウッドでもエコカーを購入するのが、流行していましたね。
→続く。
プロフィール
城繁幸(じょう・しげゆき)
人事コンサルタントを務めるかたわら、人事制度、採用などの各種雇用問題において、「若者の視点」を取り入れたユニークな意見を各種メディアで発信中。著作に『若者はなぜ3年で辞めるのか?』(光文社新書)、『3年で辞めた若者はどこへ行ったのか−アウトサイダーの時代』(ちくま新書)、『7割は課長にさえなれません 終身雇用の幻想』(PHP新書)ほか。
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赤木智弘(あかぎ・ともひろ)
1975年8月生まれ、栃木県出身。長きにわたるアルバイト経験を経て、現在はフリーライターとして非正規労働者でも安心して生活できる社会を実現するために提言を続けている。
著書に『若者を見殺しにする国 私を戦争に向かわせるものは何か』(双風舎)、『若者を見殺しにする国』(朝日文庫)、『「当たり前」をひっぱたく』(河出書房新社)がある。ブログ「深夜のシマネコ」、Twitter「@T_akagi」
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