まんべくんのTwitter騒動に学べ!(2/2 ページ)
戦争に関するツイートをきっかけに騒動となり、長万部町が“レッドカード”を出した「まんべくん」のTwitterアカウント。我々はこの騒動から何を学ぶべきなのだろうか。
ソーシャルメディアのメリットとデメリット
ソーシャルメディアの運用者側は「うわー、多くの人に注目されている! いいね!」で済ますのではなく、なぜ注目されているのか、注目されたことでできるリスクは何か、そのリスクとPR活動の有効性とどちらが上か……などを常に考えてほしいと思います。
また、デメリットを気にするあまり、すべてを統制する、つまり「ソーシャルメディアを使わない」とする姿勢も、個人的には好ましくないと思っています。
もちろん、「メリット部分を捨てる」という覚悟があって「使わない」と決断することは、方針として「あり」だとは思うのですが、現実には「メリット部分を捨てる」覚悟まで持って決断している企業・団体はそんなに多くない、という肌感覚があります。単に「何が起こるか分からないから」という抽象的・感覚的な理由のみで決めているケースがほとんどだと。
もし、「何が起こるか分からないから」という感覚のみで使っていない企業・団体であれば、恐らくは「所属員の、プライベートでのソーシャルメディアの発言は制御できない」という認識が甘いような気がします。「プライベートの発言で、所属する企業・団体を一切出してはいけない!」という規則を作っても、リスクを回避することは限りなく不可能ですから……。
発言者はリアルの場において、その人を取り巻くコミュニティ(友人知人関係含む)に属しています。そこで、所属している企業・団体を、どんな場合でも一切明らかにしていない、なんて現実として皆無ですよね……。
プライベートで発言者が問題発言をし、ソーシャルメディア上で好ましくないニュースとして取り上げられた場合、その人の所属まで明らかにされることがほとんどです。加えて、「所属を明らかにしていない人」が問題発言をして炎上した場合の方が、「所属している企業・団体」に降りかかる火の粉は、ほぼ間違いなく多くなります(想像してみれば分かりますよね)。
「個人の発言で、企業(団体)とは無関係です」と、運用者側は言いたくなるでしょう。しかし、理屈ではいかにそうであっても、顧客が抱く企業・団体へのイメージは悪くなってしまうのが現実ですよね。
だから、「ソーシャルメディアを使わない」と決めるにしても、「メリットもある」けれど「デメリットが大きい」という姿勢で臨むべきなんです。メリットまで把握しているのであれば、リスクについてもしっかり把握できている、と推測できますからね。(寺西隆行)
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