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インタビュー

震災後「利用客ゼロ」からの再起――はとバスのいま嶋田淑之の「リーダーは眠らない」(1/5 ページ)

東日本大震災以降、福島第一原発の事故の影響で観光業界は大きなダメージを受けている。東京観光ツアーの最大手・はとバスでは、3月12〜31日の利用客がゼロという事態に陥った。震災から5カ月、回復基調にある同社ではどのような手を打っているのだろうか。

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嶋田淑之の「リーダーは眠らない」とは?

 技術革新のスピードが上がり、経済のグローバル化も進む中、日夜、自らの組織のために粉骨砕身するリーダーたち。彼らはどんな思いを抱き、どんなことに注目して、事業を運営しているのでしょうか。「リーダーは眠らない」では、さまざまな企業や団体のトップに登場していただき、業界の“今”を語ってもらいます。

 インタビュアーは戦略経営に詳しい嶋田淑之氏。徹底した聞き取りを通して、リーダーの心の内に鋭く迫ります。


 東日本大震災は首都圏の多くの企業の事業活動に甚大な影響を与えたが、特に深刻なダメージを受けた業種に観光事業がある。

 余震や放射能に対する恐怖心から外国人が一斉に日本を脱出し、同時に訪日する外国人も激減。また、日本人であっても、観光目的で首都圏を訪れる人は減り、さらには「計画停電」による混乱や“自粛ブーム”が拍車をかけた。

 そういう未曾有の逆風の中で、首都圏の観光事業はどのように対応し、そして現在はどういう状況に置かれているのだろうか? それを明らかにしようと、今回ははとバスの松尾均社長にお話をうかがった。


はとバスの松尾均社長

物流倉庫群の中にあるはとバス本社

 大企業の物流倉庫群が視界を埋め尽くす大田区平和島の一角に、はとバス本社はあった。

 訪れたのは7月末、どんよりと曇り、蒸し暑い中、松尾さんは居並ぶ観光バス群の間を軽快に歩き回り、ドライバーやバスガイドたちに気さくに声をかけ、相手も親しみをこめたリアクションを返してくる。松尾さんは毎日早朝6時から「出庫点検」「点呼立ち会い」を励行し、全ドライバー・バスガイドひとりひとりに自ら声をかけているという。


大田区平和島の物流倉庫群の中にあるはとバス本社
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