コラム
第52鉄 都営交通100年記念〜都電の保存車めぐりと記念展:杉山淳一の+R Style(5/5 ページ)
2011年は、東京都交通局100年記念のメモリアルイヤー。これを記念して、江戸東京博物館では東京の交通についての特別展を開催中だ(9月10日まで)。今回は都電荒川線に乗り、博物館を見学してきた。
屋内展示は、馬車鉄道から始まる「東京の交通史」をたどっていく構成になっている。どの辺から懐かしく感じるか、世代によって感想が異なるだろう。自分が生まれる前の事柄も興味深い。すべての展示物をゆっくり眺めて、所要時間は約2時間といったところ。都電を再現した鉄道模型ジオラマはいつまで眺めても飽きない。
入場料とは別に500円で貸し出される音声ガイドもオススメ。ナレーターは緒川たまきさん。彼女はバラエティ番組『トリビアの泉』に出演して「うそつき」の名台詞を残したけれど、ここの内容は嘘なし。展示物の説明文にはない情報や、当時の関係者の談話も聞けて興味深い。
なお、展示物はヨヘロ1形のモックアップ、実車展示、鉄道模型とマイつり革展以外は撮影禁止。でも、展示物の写真は図録として販売される冊子「都営交通100年のあゆみ」(1600円)にほとんど収録されている。東京都交通局は常設の私設博物館を持たないので、次の展示はいつか分からない。だから図録の販売はありがたい。展示以外の資料も豊富だし、良い記念になった。
※「myつりかわ展」と都電ジオラマ展示は8月31日で終了しました。(9月6日追記)
今回の電車賃
都電荒川線 大塚駅前 − 荒川車庫 160円 荒川遊園地前 − 王子駅前 160円
JR東日本 王子 − 両国 160円
- あらかわ遊園 入園料 200円 09:00〜17:00 主に火曜日休園
- 江戸東京博物館「東京の交通100年博〜都電・バス・地下鉄の“いま・むかし”〜」入館料 1300円(特別展のみ 常設展も観る場合は1520円。常設展は前売り券もあり1100円)、開館時間は09:30〜17:30、入館は17:00まで。主に月曜休館(施設の休館日は公式サイトで確認を)
関連記事
- 杉山淳一の+R Style:第51鉄 キハ52と保存車両とホタルトレイン――房総横断ローカル線紀行(後編)
東京から日帰りできる房総半島横断の旅、後編はいすみ鉄道を遊びつくす。キハ52、スナフキンの家、大多喜城、秘密の場所でホタル見学……ローカル線の魅力を満喫しよう。 - 杉山淳一の+R Style:第50鉄 小湊鐵道と養老渓谷とわらじトンカツ――房総横断ローカル線紀行(前編)
東京から鈍行で1時間。千葉県の房総半島には、小湊鐵道・いすみ鉄道というローカル線が走っている。美しい滝、ムーミン列車、絶品とんかつ……奥深い千葉ローカル線の旅、今回は前後編でお送りしよう。 - 杉山淳一の+R Style:第49鉄 マルーン色の電車旅――阪急電車と能勢電鉄で行く妙見山
現在公開中の映画『阪急電車』も話題。阪急電車といえば、独特のカラーリングが特徴だ。今回は阪急電車、能勢電鉄、ケーブルカー、リフトを乗り継いで「能勢の妙見さん」へ、半日の旅へ出かけよう。 - 杉山淳一の+R Style:連載バックナンバー
- 誠 Style:トラベル
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.