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レッドブルが売れているワケコンビニ、ヒット商品の理由(2/2 ページ)

2005年に日本に上陸して以来、徐々にファンを増やしている『レッドブル エナジードリンク』。日本参入当初、医薬部外品としての認可が取れずに、炭酸飲料として売らざるをえなくなったことが逆にブランドの拡大に貢献したと筆者は主張する。

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日本の栄養ドリンク勢と全面対決

 2009年、レッドブルはコンビニでさらなる商品展開を行い、ブランド認知を広げるため、新商品の小容量タイプ(185ミリリットル、200円)を発売。この商品の発売により、一気に販売チャネルを拡大することに成功した。コンビニの栄養ドリンク什器は棚と棚の間隔が狭く設定されているため、従来商品では展開できなかったのだが、商品容量をほかの栄養ドリンクと同等にしたことで、ついに主戦場となる栄養ドリンク什器に殴り込めるようになったのだ。

 レッドブルのブランド認知はすでに進んでいるため、これからは売り上げの拡大を図るための戦略が重要になるだろう。ついに日本の栄養ドリンク勢との全面対決局面に入ったのである。途中経過ではあるが、主要栄養ドリンクの年度別の週間平均販売本数を確認してみると、レッドブル エナジードリンクは確実に支持を広げていることが分かる。


年度別に見た、あるコンビニチェーン1店舗当たりの週間平均販売本数

 若者向けの栄養ドリンクとしての地位を確立させ、さらなるシェアアップに向けたマーケティング施策が非常に楽しみな商品である。今後は、新フレーバーや第2ブランドなどの商品開発が進むのだろうか? 欧米ではすでに大容量の商品も発売されているので、その発売も楽しみである。

著者プロフィール:笠井清志

JR東日本リテールネット・コンビニエンス営業部長。ゼネコン、コンビニチェーン本部、コンサルティング会社を経て現職。小売業・サービス業を中心に多店舗展開チェーン(特に駅ナカ・空港等の限定商圏マーケティング)を中心に活動。NEWDAYSが2007年度から3年連続で1店舗平均日商でセブン-イレブンを抜いた実績のサポートを行う。月刊コンビニ(商業界)での執筆、海外メディア「Financial Times」等取材実績多数。著書に『コンビニのしくみ』(同文館出版)や『よくわかるこれからのスーパーバイザー』(どちらも同文館出版)がある。経営相談・講演・執筆等の依頼はこちら(kiyoshi1025@gmail.com)まで。


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