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電力料金値上げの前に……「ありがとう」を伝えてほしい郷好文の“うふふ”マーケティング(3/3 ページ)

火力発電を増やすことを理由に、電気料金の値上げ申請を検討しているという東京電力。しかし、その前に東京電力にはやるべきことがあるのではないか、と筆者は主張。同じく国策会社のJALの経営姿勢と比較する。

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ありがとうベースのマーケティング

 残念だが東電からはそれが伝わってこない。補償活動で忙しくても、Facebookに企業ページを開設して、各地の節電活動を伝えたり、消費者に書いてもらって、それに対して「ありがとう」を言うことはできる。事実やデータだけのホームページより温かい。ハコモノ展示でなく、外部委託でもない、社員ひとりひとりによる電力教室をどんどん開いてほしい。感謝を見せてほしい。

 一般企業でも「感謝をどう伝えるか」はこれから重要なテーマである。それは「ご愛顧感謝」の“消費者還元”や「上得意客ご招待」の“顧客セグメンテーション”ではない。お得と差別化というマーケティングの王道が薄れたとは言わないが、震災後の消費者心理のド真ん中にあるのは「貢献と感謝」である。

 ソーシャルに目覚めた消費者は、貢献し応援し感謝されたい。従来のイメージ重視コミュニケーション戦略も話題先行型イベントも、もはや響かない。ありがとうからマーケティングを始めないと伝わらない。企業活動に心から共感してもらうために、消費者とともに行動する姿勢が欲しい。ウリはその後自然に付いてくる。ありがとうベースのマーケティングは震災からのありがたい教訓である。

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