今後のWebコミュニケーションに重要な“ゲーミフィケーション”とは(2/2 ページ)
ゲームがユーザーを引き付けるために使っているテクニックを、Webサイトなどでも応用しようという“ゲーミフィケーション”。筆者は2つの理由から今後、“ゲーミフィケーション”の重要度が高まると主張する。
ゲーミフィケーションの重要度が高まる理由
私もゲーミフィケーションにまだそんなに詳しいわけではないのですが、最近こうしたトピックを目にすることが増え、「確かに重要度が高まっていくだろうな」と感じています。その理由は2つあります。
1つは、「ソーシャルメディアで大切なのは共有よりも共感だと思う」の記事でも示したように、コミュニケーションにおいて論理的な(左脳的な)ものだけでなく、感覚・感情を刺激する右脳的なものの重要性が高まってきていること。ゲーミフィケーションは決して論理的なものではなく、「何となく」や久保田氏もブログで言うように行動経済学的な不合理性に呼応するものです。
もう1つは、消費行動モデルのAIDMAやAISASの先として「SIPS」が提唱されたことに見られるように、「アテンションをとる」ことが難しく、かつそれだけでは意味を成さなくなってきていることです。
情報過多のこの時代、ユーザーは瞬間的・表層的にしか情報に触れないため、ちょっとアテンションをとってもすぐに離れていってしまいますし、新しい情報に上書きされてすぐに印象が薄くなってしまいます。だから、コミット度合いを「もう一歩」進めてもらうための手法としたゲーミフィケーションが有効なのでしょう。
もちろん、あらゆるサイトやサービスでゲーミフィケーションが進められてしまうと、面倒でうっとうしくなってしまいますが、「真面目な情報提供」「メッセージを伝える」「(よく分からないけど)インタラクティブに」ではなく、勘所を押さえてゲーミフィケーションの手法を導入できるといいですね。ただ、こればかりは社内だけでなく、企画のうまいコミュニケーションプランナーさんにうまく入ってもらわないと陳腐なものになってしまいそうですが。(安田英久)
関連記事
- 「基本無料」でビジネスをする方法――ソーシャルゲームのマネタイズ戦略
ソーシャルゲームやスマートフォンのアプリ市場の一部で共通しているのが、「基本無料だが別の方法で課金を行う」というビジネスモデル。特にソーシャルゲームには、長く遊んでもらう秘訣、価格設定など、さまざまなノウハウがある。『ブラウザ三国志』などを手がけた椎葉忠志らが語る「マネタイズの勘所」とは……? - TwitterやFacebookで呼びかけ――アラブの政変は何に対する戦いなのか?
TwitterやFacebookなどを起点とした民衆のデモにより、チュニジアの政権が倒れ、エジプトの政権も脅かされています。この民主化革命の動きにはどういった意味があるのか、そしてこうした事態を恐れているのは誰なのでしょうか? - あなたのTwitterの発言、印刷して社内に貼り出せますか?
ここ半年ほど、Twitterが原因のトラブルの話題を聞くことが増えたという筆者。Twitterなどでの発言からトラブルにならないように、気をつけるべき「パブリックなソーシャルメディアでの行動」について解説します。
関連リンク
Copyright (c) INSIGHT NOW! All Rights Reserved.