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転職を考える前に、私たちがしなければいけないこと(後編)仕事をしたら“グラッ”ときた(3/4 ページ)

企業業績の低迷を受け「転職しようかなあ」と考えている人もいるだろう。ビジネスパーソンにとって転職は大きなイベントだが、安易な理由で実行に移してもいいのだろうか。そこで失敗しないための転職活動について、リクナビNEXTの黒田真行編集長に話を聞いた。

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「採用する側の状況」を想像する

土肥:人間というのは自分の評価に対し、甘くなりがちですよね。「なぜ自分の給料はもっと上がらないのか」「もっと出世してもいいはずなのに」と感じる人は多い。

 自分を高く評価してしまいがちなので、転職活動の際もどうしてもギャップが生まれやすいのでは?

黒田:確かに自己評価を客観的にすることは難しいですね。でも、客観評価は、本来正確な情報がなければなかなか難しい。特に転職は、人生でそう何度も経験するものではないだけに、相場観や経験知も貯まりにくいのでさらに難易度が上がります。

 あえてできることがあるとすれば、「採用する側の状況」をどこまで想像しておくか、ということでしょうか。例えばアイティメディア編集部に応募するとして、いったい何通の履歴書が人事の机に届いているのか。応募する側にはまったく分かりません。でも、そこに100人の応募があったとして、かつ採用枠が1人だったとしたら、採用担当者はどんな目線で、選りすぐりの1人を選ぶでしょうか?

 「自分は募集条件に合致しているから、応募すれば採用されるはずだ」と考えている人は意外に多いのが実情です。

土肥:なるほど。

黒田:ましてや、雇用する側からすれば生涯賃金2〜3億円という高い買い物になるので、リスクに対して慎重になります。

 できるだけ自社に合う仲間を選ぼうとするという行動パターンがあるという原則を頭に入れておく必要があります。

 長年、中途採用=転職のサービスをしていて感じるのは、1人1人が持つ固有の強みや得意なことを、その力を必要とする企業に、もっとうまくつなぎたいということに尽きます。それができれば、働く個人にとっても、経営者や同僚にとっても、もっと多くのハッピーが生まれる世の中になる。ひいては日本のGDPや競争力も向上することにつながると信じています。

 例えて言えば、実は絵がうまいのに、一生懸命歌手になろうとしている人。しかし自分の絵のうまさを、自覚すらしていない。こういう人が驚くほどたくさんいるので、すさまじい量のロスが見過ごされている。少なくとも、自己認知だけでも、もっと高めていければと考えています。

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