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原発から14キロ、浪江町のエム牧場で生き続ける動物たち東日本大震災ルポ・被災地を歩く(2/4 ページ)

福島第一原発の20キロ圏内は現在、警戒区域に設定されており、通行許可証がないと入れないようになっている。だが、そんな場所であっても、原発から14キロ地点にあるエム牧場では、毎日餌を与えていることから肉牛たちが生き残っていた。

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牧場の牛たち

 牧場に入ると、子牛がいた。ここ数カ月以内に産まれた子牛で、正確な数は分からない。私が目で確認できたのは3頭。そのうち1頭の子牛を、大人の牛たちが私から守るように取り囲んでいる様子が印象的だった。吉沢さんは「どの子牛がどの牛の子どもなのか分からない」とこぼす。


子牛を大人の牛たちが守っている

 エム牧場には黒毛和種と日本短角種が300頭以上いるが、なぜか白黒斑の乳牛であるホルスタインが混ざっている。肉牛しかいなかったはずなのに、どうして乳牛がいるのか。

 「どこからか迷い込んで来たんですよ」と吉沢さん。「すぐに仲良くなるものですか?」と尋ねると、「仲良くなる牛もいるしね。もう柵もないので、どこかで合流して、仲良くなったんじゃないか」と答える。


ホルスタイン(右)が迷い込み、もともといた肉牛(左)と仲良くしている

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