矢野経済研究所は10月17日、風力発電システム市場に関する調査結果を発表。2010年度国内市場は前年度比1.2%増の738億円となったことが分かった。
前年度よりは増加したものの、2007年の建築基準法改正で厳しい耐震基準が課せられたことや、再生可能エネルギーの固定価格買取制度への移行に伴う助成制度の中止などの影響を受け、2007年度以降は2006年度の936億円を下回る状況が続いている。
矢野経済研究所では「建設費補助の縮小・中止後、固定価格買取制度への移行までに助成措置の空白期間が存在していることから、国内市場は足踏み状態となっている。また、金融危機による世界的な需要減退、中国風車メーカーの台頭、ユーロ高の解消などによって風車の本体価格は下落していると推測され、メーカー各社を取り巻く市場環境は厳しい」とコメントしている。
厳しい状況が続いていた日本の風力発電産業だが、2011年8月に「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法(再生可能エネルギー固定買取法案)」が国会で成立。2012年度以降の導入促進が望めることから、矢野経済研究所では2015年の市場規模を1290億円、2020年度は3880億円と予測している。
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