プレゼンで想いを伝えるための“例え話三原則”(2/2 ページ)
プレゼンテーションで「言いたいことが伝わらない」ともどかしい時ってありますよね。特に、相手が異なる部署や業界で、“常識”を共有していない時に起こりがち。これを乗り越えるのが「例え話の三原則」です。
例え話の三原則とは
「整合性」というのは、例えるものと例えられるものがマッチ(整合)しているということ。先ほどの例では、「損益計算書も職務経歴は“1年間の活動の結果”という共通項で整合している」「貸借対照表と顔写真は“ある時点のスナップショット”という共通項で整合している」となりますね。
次の「関連性」は、今度は聞き手の問題ですが、聞き手が知っているもの(関連しているもの)に例えてあげることの重要性です。先ほどの例で挙げた履歴書ならば、社会人なら誰でも書いたことがあるので、関連性は○です。
もしこれを、「決算書って野球のスコアブックみたいなもの」と言ってしまうと×。一部のコアなファン以外は「え? スコアブックってどんなのだっけ?」とかえって混乱してしまいます。
実際、会計を初心者向けに説明した本の中には、損益計算書と貸借対照表、そしてキャッシュフロー計算書のいわゆる財務3表を、オペラのドミンゴたちになぞらえて「財務界の三大テノール」と例えているものがありますが、筆者は正直言ってピンと来ませんでした。オペラって言われた時点で、ブラウザを想像しちゃうのは、エンジニアくずれの悲しいサガなのでしょうか。
さて、三原則最後の「多面性」は、いろんな側面で似ている、と言う意味です。先ほどの履歴書の例で言えば、「他者への報告である」「過去の期間の活動報告がある」「過去の一時点の情報がある」という3点で似ているので、クオリティが高い例え話になっています。
例え話は、一見するとベタかもしれませんが、プレゼンテーションの場で使うと効果は圧倒的です。ぜひ三原則を意識して、伝わるプレゼンを工夫してみてください。(木田知廣)
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