津田大介が注目する、ネット媒体とは:津田大介×鈴木謙介、3.11後のメディアと若者(2)(3/3 ページ)
ネット媒体が誕生してから、10年以上が経過した。社会学者の鈴木謙介さんは「ネット媒体の論調に、独自のカラーが出せていないのでは」と指摘。一方、ジャーナリストの津田大介さんは、注目しているネットメディアの名前を挙げた。そのメディアとは……。
鈴木:さきほど津田さんがおっしゃった、“水溜り”のことですね(関連記事)。
津田:ですね。その“水溜り”を持っている人はいいけれど、最初にそれがない人がどのように成功させればいいのか。自分の信念を曲げて、とにかく“釣り記事”で勝負する。そしてお金が回るようになれば、まともな記事を書いていくという戦略もありますよね。
鈴木:しかし、それは難しいかもしれません。「うまくお金が貯まったので、今から真面目な記事を書きます」と編集方針を変えるのはなかなか難しいのではないでしょうか。
津田:『GIGAZINE』がそれをやろうとしているけど、難しいかもしれませんね。
(続く)
プロフィール
津田大介(つだ・だいすけ)
ジャーナリスト/メディア・アクティビスト。1973年生まれ。東京都出身。早稲田大学社会科学部卒。早稲田大学大学院政治学研究科ジャーナリズムコース非常勤講師。一般社団法人インターネットユーザー協会代表理事。J-WAVE『JAM THE WORLD』火曜日ナビゲーター。IT・ネットサービスやネットカルチャー、ネットジャーナリズム、著作権問題、コンテンツビジネス論などを専門分野に執筆活動を行う。ネットニュースメディア「ナタリー」の設立・運営にも携わる。主な著書に『Twitter社会論』(洋泉社)、『未来型サバイバル音楽論』(中央公論新社)など。
鈴木謙介(すずき・けんすけ)
1976年福岡県生まれ。関西学院大学 社会学部 准教授。専攻は理論社会学。情報化社会の最新の事例研究と、政治哲学を中心とした理論研究を架橋させながら独自の社会理論を展開。著者『カーニヴァル化する社会』(講談社)以降は、若者たちの実存や感覚をベースにした議論を提起しており、若年層の圧倒的な支持を集めている。著者は『サブカル・ニッポンの新自由主義』(筑摩書房)ほか多数。現在、TV・ラジオ・雑誌などを中心に幅広いメディアで活躍中。最新刊に『SQ “かかわり”の知能指数』がある。
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