帝国データバンクは1月5日、「東日本大震災関連倒産」の動向調査結果を発表。それによると、2011年の震災関連倒産は510件と、震災発生から10カ月時点の阪神大震災関連倒産(174件)の約3倍となっていることが分かった。
倒産件数を月別に見ると、阪神大震災時と同じく震災発生から4カ月目が80件と最も多く、ここ数カ月は40件台で推移している。
倒産パターンでは、「得意先被災などによる売上減少」(39.0%)や「消費自粛のあおり」(20.0%)、「仕入先被災などによる調達難」(12.5%)といった間接被害が9割超。また、8割の企業は、震災以前から業績が悪化していたところに、震災が起こったことがきっかけで倒産したようだ。
倒産企業を業種別にみると、最も多いのは「建設」で91件。以下、「機械・金属製造」が44件、「ホテル」が42件、「アパレル」が29件、「食品販売」が24件、「広告・イベント」が23件で続いた。
地域別では「関東」が206社と断トツで、「東北」が86社、「中部」が55社、「近畿」が43社、「九州」が41社、「北海道」が35社で続いた。しかし、帝国データバンクでは「震災後の津波で直接被害を受けた企業の倒産はほとんど判明していないため、実質的に営業不能状態にある企業は多数存在しており、岩手、宮城、福島など被災地での潜在的な倒産増加リスクは高い」とコメントしている。
関連記事
- 年越しを迎える被災地、改めて防災教育を振り返る
東日本大震災から9カ月。さまざまなことがあった2011年も終わろうとしている。そんな中、釜石市の東日本大震災検証委員会では、防災についての取り組みが正しかったかのかどうか議論が行われていた。 - 「早野黙れ」と言われたけど……科学者は原発事故にどう向き合うべきか
3月11日の東日本大震災にともない、発生した福島第一原発事故。日本科学未来館で行われたイベント「未来設計会議第2回『科学者に言いたいこと、ないですか?』」で、東京大学の早野龍五教授は、科学者の本分は「データの出典を示して、解析して、公開して、議論することである」という思いのもと、情報を発信し続けていると語った。 - 「私も、被ばくした」――蓮池透が語る、原発労働の実態(前編)
北朝鮮による拉致問題で、メディアの前にたびたび登場した蓮池透さん。しかし彼が東京電力で、しかも福島第1原発で働いていたことを知っている人は少ないだろう。今回の大惨事を、蓮池さんはどのように見ているのか。前後編でお送りする。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.