若きビジネスパーソンよ、「食べログ」なんかいらない:相場英雄の時事日想(3/3 ページ)
「食べログ」が、いわゆる“やらせ行為”で揺れている。同サイトの利用者は戸惑いを感じているかもしれないが、それほど心配する必要もない。なぜなら「馴染みの店」を作ることで、問題は解決するからだ。
プロの口コミは確実
もう1つ、筆者が食べログなどのサイト、特に口コミを利用しないのには理由がある。個々人の味の好み、嗜好は千差万別だからだ。
新潟出身の筆者は濃い味付けを好む。一方で、関西圏出身で薄味が好きという人もいる。元々、人に好みを押し付けることも強要されることも嫌いなだけに、サイト上の「口コミ」は一切参考にしてこなかった。
要するに、自分の予算と好み、そして一緒に食事や酒を楽しむ友人や仕事関係の人間が楽しく、かつ有意義に過ごすことができれば良い、というのが筆者の信条。食べログで酷評されている店もいくつか手持ちのリストにあるが、実際に店のスタッフに聞いてみると悪質なクレーマー的な輩も少なくないという。
よって、筆者のお馴染み店は本稿では触れない。嗜好の違う読者に嫌な思いもさせたくないし、店が混み合ってしまうのも困るからだ。1つだけアドバイスするとすれば、味やサービス、料金に納得し、また店を訪れようと思ったら、素直に「おいしかった」とスタッフに告げることだ。相手はサービスのプロたちだ。必ず覚えていてくれる。
また、何度も店に通い、店のスタッフや頑固やオヤジと顔馴染みになれば、彼らが通う店も必ず教えてくれる。プロが足繁く通う店だけに、筆者が紹介された店に“ハズレ”は1つもなかった。
ネットの情報を利用すると利便性が上がるのは間違いない。ただ、食べ物のサイトは、己の「舌」までは養ってくれない。自分の舌を作り、育てていくのは、時間がかかる作業だが、さまざまな人とのコミュニケーションを広げてくれることだけは間違いない。
関連記事
- 明らかにすべきこと、それは「東電とマスコミ」の関係
東電が議員のパーティー券を購入していることが、朝日新聞の取材で分かった。ただ「東電と議員」の関係だけでなく、「東電とマスコミ」の蜜月関係も明らかにすべきではないだろうか。 - 何が問題なのか? メディアにころがる常識
メディアが構造的な問題に苦しんでいる――。購読部数の減少、広告収入の低下などさまざまな課題が押し寄せているが、解決の糸口が見えてこない。こうした問題について、ジャーナリストの津田大介氏と社会学者の鈴木謙介氏が語り合った。 - 朝日新聞が、世間の感覚とズレにズレている理由
気鋭のジャーナリスト、上杉隆氏、相場英雄氏、窪田順生氏の3人が、Business Media 誠に登場。「政治評論家に多額の資金が渡った」と指摘されている官房機密費問題や、メディアが抱える問題点などについて語り合った。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.