最近の若者は、リーダー論をどこで学ぶのか:ちきりん×中田宏、政治家を殺したのは誰か(6)(4/4 ページ)
「女性スキャンダルまみれ」で「ハレンチ市長」と命名された、前横浜市長の中田宏氏。もしタイムマシンがあって、横浜市長に就任した当時に戻れるとしたら……中田氏はどのような行動に出るのか。
ちきりん:基本的には会社員は仕事があるので、なかなかゲームをする時間がありません。なのであまりチームに貢献できないんです。貢献できるのは、1日中ゲームをしている人……つまり働いていない人たちですね(笑)。
そうした働いていない人たちは、社会で働くことによってリーダーシップを学べるわけではないけれど、ゲームの中でそれを学んでいるわけです。
それって、ネットを通じてはいるけれど、生身の人間と接しているわけです。場はオンラインゲームの上だけど、基本は人間関係を作っていかなければいけない。チームを編成し、リーダーシップを発揮し、目的を遂行する。今までは会社や組織が教えてきたことを、ゲームで学んでいる人がいるんですよね。
中田:なるほど。
ちきりん:もちろんそこで学んだことが、リアルな社会でも通用するのかどうかは私にも分かりません。ただ、彼らの話を聞いていると、少なくとも概念として学んでいることは「私が会社で学んできたことと同じかも」と思えることがあるんです。これは新しい時代の学び方だなあと感じますね。
(続く)
2人のプロフィール:
ちきりん
兵庫県出身。バブル最盛期に証券会社で働く。米国の大学院への留学を経て外資系企業に勤務。2010年秋に退職し“働かない人生”を謳歌中。崩壊前のソビエト連邦など、これまでに約50カ国を旅している。2005年春から“おちゃらけ社会派”と称してブログを開始。著書に『自分のアタマで考えよう』『ゆるく考えよう 人生を100倍ラクにする思考法』がある。Twitterアカウントは「@InsideCHIKIRIN」
中田宏(なかだ・ひろし)
衆議院議員(3期)を経て、平成14年に横浜市長に就任し2期務める。横浜市の累積借入金を約1兆円純減、ごみ排出量40%削減、市営地下鉄、市営バス、水道局の黒字化など数々の改革を通し市財政を再建。現在、青山学院大学院などの客員教授を務めながら、全国各地での講演活動や本の執筆など多方面で活躍中。
2011年10月に発売された政治の利権構造を赤裸々に綴った『政治家の殺し方』(幻冬舎)は、Amazon.co.jpのベストセラー1位を獲得するなど好評を博している。
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