世界一周中に起業、26歳の若者がスペイン語オンライン学習事業を始めたワケ:世界一周サムライバックパッカープロジェクト(6/6 ページ)
世界一周旅行中に「スパニッシモ」というスペイン語オンラインレッスン事業を始めた吉川恭平さんと有村拓朗さん。なりたい姿を追求するために旅に出た彼らが見つけたのが、この事業なのだという。
「お前はやりたいことやってていいな!」
――今後の予定や将来の夢(目標)について教えてください。
有村 サービスの目標で言えば、この1年で「オンラインでスペイン語を学ぶならスパニッシモ」という土台を固めていきたいと思います。そのために、1月21日にサービスを始めた後も、使い続けてもらうサービスにするために、必要な機能を可能な限り早くリリースしますし、英語版もオープンします。
個人的なことで言えば、もっともっと自分の思ったものを人に伝えていくために広告の勉強をしていきたいと思っていますし、趣味にしている写真をもっと本格的に勉強したいと思っています。
吉川 旅を続けながら、ビジネスチャンスがあればそれを形にしていきたい。今はそう思っています。これは2012年の目標です。
やっぱり旅をしていると、あらゆる方向に目がいくチャンスがあるので、意外と想定していなかったようなビジネスチャンスがバンバン出てきます。
こういったものをしっかりと興味にとどめず、一歩踏み込んで形にしていくプロセスは非常に楽しいです。今年は南米を中心にさまざまなビジネスに触れ、自分たちの思いを形にしていきたいと思っています。
帰国後に関してですが、やはり世界と日本にある面白いサービスやモノを双方向に伝達できるような生活を送りたい。その第1弾として、今回始めるスパニッシモをしっかりと軌道に乗せるため、そこに専念する予定です。
――最後に日本の若者にメッセージをお願いします。
有村 最近後輩や同期から「お前はやりたいことやってていいな!」という言葉をよくもらうようになりました。僕はそのたびに「ん? どういうことなんやろう?」と考えてしまいます。
本当に自分がやりたいと思っていることがあったら、今この瞬間にやるべきだと思います。「でも……」とその先に続く言葉がいっぱい思い浮かんでくると思いますが、自分の純粋な気持ちとそれらを比べてみて、果たして自分の気持ちを引っ込めるほどのものなのか、もう一度考えてみてください。
もし失敗を恐れているのであれば、失敗は次の成功へのステップだと思ってください。どんな失敗がありえるのか、事前に想定できるのであれば失敗する可能性は減りますね! もし相談している相手が、失敗するリスクばかりを話すのであれば、相談する相手を変えた方がいいでしょう。自分の思いを応援してくれる人を自分の周りに置くことも大切です。
たいていのことは本気で壁にぶつかれば、意外と開くものです。2012年、始まったばかりですし、今年こそ自分がやりたいことに挑戦してみる年にするというのはどうでしょう?
吉川 同じ若者として思うことは、自分の興味や関心を深めてみることで、意外な結果がたくさん待っているので、何となく興味を持ったことでも迷わずチャレンジしてほしいということです。
自分も散々失敗をしてきて思うのですが、何事もチャレンジすることで、見えてくるベクトルが毎回違い、そこでの困難や、それを乗り越えた経験が結果として自分にとって大きな財産になっています。
今回のスペイン語事業も1つ良い例です。最初は何となく好奇心から「このアイデアって、いけるんじゃね?」くらいにしか思っていなかったのですが、やはり仕事として向き合うにつれ、その業界の知識や、アイデアもどんどんわいてきました。
ほんの3カ月前まではただの旅人だったのですが、一歩踏み出して、チャンスを形にしようと実行することで、こうして今までになかった出会いや経験をたくさんする良い機会となっています。
「あの時、あれをやっていれば良かった」と思わないためにも、今この瞬間に集中して、自分にできることはどんどんチャレンジしてほしいと思います。
アイデアをカタチにしたすごさ
彼らの最もすごいところは、実際にアイデアをカタチにしたというところです。僕もグアテマラにいた時に「スペイン語のオンラインレッスン事業はビジネスとしてアリかもなあ」と思ったのですが、結局、僕はやらなかった。しかし、彼らは実際に動いた。この差は天と地なのです。
アイデアというのは確かに大事ですが、アイデアだけでは価値はゼロに等しいです。アイデアに行動が伴って、初めて価値が生まれるわけです。同じアイデアを思い浮かべる人は日本人だけでも同時に100人はいて、世界全体では1000人を超えるのでしょう。いかに早く、アイデアを具現化するのか、それが肝です。
素直に彼らを尊敬するとともに、僕自身も旅中に温めたアイデアの実現に早く取り組みたいと刺激を受けました。旅中に起業してしまうという事例はまだまだ少ないですが、彼らを皮切りに、多くの事例が出てくると世の中がもっと面白くなると思います!
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