震災後、日常生活の中で死を意識――66.2%
大震災から1年が経とうとしているが、生活者はどのような考え方をしているのだろうか。「自然現象に恐怖を感じながらも、日本で暮らしていきたい」という人が多かった。電通総研調べ。
東日本大震災から1年が経とうとしているが、今も自然現象に対して恐れを感じている人はどのくらいいるのだろうか。20〜60代の男女に聞いたところ、8割以上の人が「自然現象に恐れを感じている」(85.0%)と回答。また「震災後、日頃の生活の中で自分が死ぬ場合のことを意識している」(66.2%)人も6割を超えるなど、自然観や死生観に大きな影響を与えていることが、電通総研の調査で分かった。
「近い将来、東日本大震災と同じくらいの天災が起きる可能性が高いと思う」と答えた人は87.9%。また「もし再び、東日本大震災と同程度の天災が発生したら、困惑するだけだと思う」は71.8%。大地震に不安を感じている人が多いが、それでも「日本で暮らしたい」と答えたのは85.8%だった。
今後の生活について
震災を経験して、あなたは今後の生活についてどのように考えていますか? この質問に対し、7割以上の人が「お金や時間の使い方にメリハリをつけたい」(72.7%)、「想定外(従来の常識にとらわれない)の事態を想定し、対策を立てたい」(70.8%)と答えた。また「ささやかな幸せを大切にしたい」(69.8%)や「家族や身近な人々との絆を大切にしたい」(68.5%)といった精神的な面を重視する傾向がうかがえた。
また被災地(岩手、宮城、福島)では「これまでのムダを見直す」(74.7%、全国平均68.9%)と「社会に貢献しよう、よい社会に変えていこうという姿勢の企業を応援したい」(72.0%、同62.2%)が全国平均よりも高い。「被災地では、ムダに対する厳しさや企業の支援などに対する期待や評価がうかがえた」(電通総研)
インターネットによる調査で、20〜69歳の男女2000人が回答した。調査期間は2月24日から3月1日まで。
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