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コラム

なぜ駅にホームドアの設置が進まないのか杉山淳一の時事日想(1/5 ページ)

駅ホームからの転落事故が後を絶たない。自殺や携帯端末の注視など理由は多岐にわたり、対策はホームドアや点字ブロックの改良が主だという。しかし、私たちは最も効果的な解決策を持っている。心だ。

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 国土交通省は3月はじめに「ホームドアの設置状況(平成23年12月末現在)」というデータをWebサイトで公開した。ホームドアの設置駅は昨年末までで510駅。日本で旅客扱いをする駅の数は9611(※)あり、国土交通省のデータは「その駅に乗り入れる路線のひとつでも設置されていればカウントする」とのことなので、ホームごとで考えると実質的な普及率は5%に満たない。

※旅客駅の数:筆者が愛用する鉄道データベースソフト「Railway Database For MS-Access」による

ホームドア設置駅数は増えているが……(国土交通省発表「ホームドアの設置駅数の推移(PDF)」から)

 皮肉なことに、この発表とほぼ同じ頃、大手私鉄のある駅で目の不自由な男性がホームから転落して亡くなった。報道によれば、鉄道会社はその駅について「ホームドア設置の検討を進めている途中だった」という。「設置を決めた」ではなく「検討を進めている途中」という、なんともじれったい話である。


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