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コラム

なぜ駅にホームドアの設置が進まないのか杉山淳一の時事日想(2/5 ページ)

駅ホームからの転落事故が後を絶たない。自殺や携帯端末の注視など理由は多岐にわたり、対策はホームドアや点字ブロックの改良が主だという。しかし、私たちは最も効果的な解決策を持っている。心だ。

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ホームドアの効果が分かる「鉄道人身事故マップ」

 ホームドアがどれほど効果的か。実際にホームドアが設置されている駅に行けば一目瞭然であるが、統計的に分かりやすい資料がある。「回答する記者団」が公開している「人身事故マップ」というサイトだ。ここでは、国土交通省が開示したデータとGoogleマップと組み合わせて、2002年4月1日から2010年9月30日までに発生した鉄道人身事故を視覚的にまとめている。


鉄道人身事故マップ」――回答する記者団

路線ごとに事故発生データを閲覧できる。時期や原因など詳細の閲覧は有料(サイト全体で1カ月1000円)。サンプルでは山手線のデータをすべて閲覧できる。

 このデータと、国土交通省が発表した路線別のホームドア設置状況マップを比較すると、ホームドアの“実力”が垣間見える。ホームドアが設置された駅では、ホームからの転落事故がほぼゼロになっている。


国土交通省発表「ホームドアの設置状況」(PDF)から

 例えば山手線の場合、恵比寿駅では2010年6月26日から、目黒駅では同年8月28日からホームドアが稼働している。「鉄道人身事故マップ」を見ると、恵比寿駅では2009年9月21日の転落事故を最後に人身事故は発生していない。目黒駅では2009年11月16日の自殺以降、人身事故は発生していない。しかし、山手線のほかの駅では、2010年の1月から9月までに、恵比寿駅・目黒駅以外で13件の人身事故が発生している。

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