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「南京事件はなかった」という河村市長を、黙らせたのは誰だ?:新連載スタート・窪田順生の時事日想(4/5 ページ)
「南京事件」についていくらバッシングを受けても発言撤回や謝罪をしなかった河村たかし名古屋市長が突然、口を閉ざした。そこにはどんな力が働いたのか。
河村たかしの代わりに頭を下げた日本人経営者
この話を裏付けるような出来事があった。3月14日、新華社南京によると、日本企業の社長が南京大虐殺記念館を訪れて深々と頭を下げ、生存者支援のためにとして100万円を寄付してこのような発言をしたというのだ。
「河村市長の発言に、長年、日本と中国の友好交流に力を入れてきた日本の企業家たちはひどく心を痛めた」
この企業は中国の白物家電大手ハイアールと関係が深いことから「自作自演」などネット上では叩かれたが、南京でビジネスを展開している企業からすれば「よくぞやってくれた」というのがホンネではないか。
先ほど南京には日本企業の進出は少ないと言ったが、それでも名だたる大企業が中国国内を生産拠点にしている。例えば、マツダは2007年に南京工場を稼働以来、昨年9月には生産能力を24万台に増強している。シャープも十年以上前から南京で液晶パネルの生産を行っており、2009年のシャープのリリースに『「南京クリスタルバレー」が構築されるのを期待しております』と力の入れようがうかがえる。これらの企業からすると、「もう余計なことは言うな」と河村市長の口を抑えたくなるのは当然かもしれない。
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