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「青春18きっぷ」廃止の噂はなぜ起きたか:杉山淳一の時事日想(4/4 ページ)
「青春18きっぷ」は利用者にとってもJRにとってもメリットのある商品だ。だから廃止されるなんてありえない、という話を前回は書いた。青春18きっぷ廃止の噂とはどんなものか、よく見聞きする話を検証してみよう。
「余った回数だけ譲ってもらったから、注意書きなど見ていない」などという言い訳は通じない。そもそも、青春18きっぷに限らず「使用中のきっぷの譲渡」は規則で禁止されている。現状は「確認しようがないからお目こぼし」にすぎない。だから裏技なのであって、堂々と行使してはいけない。
きっぷのルールを理解しない利用者が駅員や車掌ともめている。そんな話を聞くうちに「メリットばかり紹介し、リスクを説明しないメディア側にも責任があるな」と痛感した。私も青春18きっぷの記事を何度か書いている。文字数の制限もあって、割引きっぷのリスクについては省略する傾向があった。これは大いに反省すべきところだ。
それを痛感させる事件を目撃したので、次回で紹介したい。
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