「栄転」か「流転」か……転職の良悪を判別する方法(2/3 ページ)
転職の「転」の読みは「転がる・転ぶ」である。転職によって、良い方に転がる場合もあるし、悪い方に転ぶ場合もある。その分岐点はどこにあるのか。
キャリアとは「くじ引き後の状況創造」
私は職業人の最も重要な能力の1つは、「状況対応力/状況創造力」だと思っています。ドラッカーの言う通り、最初の仕事はくじ引きなんだから、「外れ」が出ることもあると楽観的に構える。でもその外れは、自分の状況対応、状況創造によって人為的に「当たり」に変えることができる。
すなわちキャリア形成とは、職業選択というくじ引き後の職と自分の馴染み化(状況創造)のプロセスが大部分なのです。ここの意識はしっかりと持ったほうがいいでしょう。そしてこの馴染み化をうまくやれるかどうかは、各人の意志の強弱と自律性の有無によって決まります。
意志とは、自分はこうなりたいという気持ちの方向性です。また、自律性とは、自分の価値・信条に基づいて物事を判断し、行動できることです。
強い意志を持ち、努めて自律的であろうとする人は、多少の職場の違和感、不満、不足、不遇をその場で乗り越えていける。
他方、意志を持つことをせず、自律的になることがしんどそうで逃げる人は、違和感、不満、不足、不遇を嫌って、すぐに居場所を変える。そして漂流回路に陥るリスクを自ら大きくする。
人の「変わる/変わらない」を簡単な図にしてみました。
人生において、時に自分が「変わる」ことも大事ですし、「変わらない」ことも大事です。ですが、その行動が強い意志・自律に根ざしているのか、弱い意志・他律で何となくなのか、これは重大問題です。この図を少し作り変えてみましょう。
あなたは「猟場を変える大鷹」でしょうか、「不動の大樹」でしょうか。それとも「タンポポの種」「よどむ水」でしょうか。
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