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なぜ新幹線は飛行機に“勝てた”のか新連載・どうなる? 鉄道の未来(1)(5/7 ページ)

鉄道の未来は厳しい。人口減で需要が減少するなか、格安航空会社が台頭してきた。かつて経験したことがない競争に対し、鉄道会社はどのような手を打つべきなのか。鉄道事情に詳しい、共同通信の大塚記者と時事日想で連載をしている杉山氏が語り合った。

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大塚:1人1人の座席の上に、表示されています。日本の場合、視力が悪い人向けに大きく席の番号を表示していますが、ICEの表示はかなり小さいんですよ。「もう少し大きくしてくれれば」と思いましたが、全車指定席の列車を除き、指定席券を予約していない乗客は区間が表示されていない空席があれば座れるのだそうです。指定席と自由席をシステマチックに区分することが多いJRに比べて、合理的なシステムだと感じました。

杉山:そのアイデアは日本でも導入すればいいのになあと思いました。例えばさきほどの「はやぶさ」ですが、建前上は「全席指定席」。しかし実際には「特定特急券」と言って、空いている席に座ってもいいですよという切符も売っている。しかも自由席なみの値段で。

 もしICEのように「この席に座っている人はどこからどこまで」ということが分かっていれば、特定特急券を購入している人はその席以外に座ればいい。

大塚:いいアイデアですね。表示装置の液晶パネルも以前に比べて価格が下がったわけだし、できるはずですよ。

――実質「自由席」のようなチケットなのに、なぜ「特定特急券」という分かりにくい名前が付いているのでしょうか?

杉山:基本的に「自由席」という制度がない列車だからですね。これも国鉄時代から引きずっているややこしい慣例。自由席車両がないから自由席券は売れない。いまでもJRにはこうした要領の悪いことはたくさんあって、制度を変えることがかなり難しいんですよ。

JR東日本の東北新幹線の「はやぶさ」E5系(左、撮影:大塚圭一郎撮影)、「はやぶさ」のグランクラス(2011年2月の試乗会で)

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