1000年前の世界都市人口ランキングから見えてくるもの:ちきりんの“社会派”で行こう!(1/2 ページ)
多くの人口を抱える中国やインドが世界経済で存在感を示しています。しかし、長い時系列で世界の都市人口ランキングを見ると、今私たちが目にしているものとはまた違った景色が見えてくるようです。
「ちきりんの“社会派”で行こう!」とは?
はてなダイアリーの片隅でさまざまな話題をちょっと違った視点から扱う匿名ブロガー“ちきりん”さん。政治や経済から、社会、芸能まで鋭い分析眼で読み解く“ちきりんワールド”をご堪能ください。
※本記事は、「Chikirinの日記」において、2010年7月22日に掲載されたエントリーを再構成したコラムです。
以前、対談したこともあるライフネット生命保険の出口治明社長から著書『「思考軸」をつくれ−あの人が「瞬時の判断」を誤らない理由』をいただいたことがあります。出口社長のモノの考え方や視点の持ち方をまとめた本なのですが、その中にちきりんが大好きなデータが取り上げられていました。それは1000年前の世界の都市人口ランキングのデータです。
西暦1000年の人口が多い都市トップ10(出典:Tertius Chandler, Four Thousand Years of Urban Grwoth, An Historical Census、1987年)
順位 | 都市名(現在属する国) | 人口 |
---|---|---|
1位 | コルドバ(スペイン) | 45万人 |
2位 | 開封(中国) | 40万人 |
3位 | コンスタンチノープル(トルコ) | 30万人 |
4位 | アンコール(カンボジア) | 20万人 |
5位 | 京都(日本) | 18万人 |
6位 | カイロ(エジプト) | 14万人 |
7位 | バグダッド(イラク) | 13万人 |
8位 | ニーシャープール(イラン) | 13万人 |
9位 | ハサ(サウジアラビア) | 11万人 |
10位 | アンヒルバーダ(インド) | 10万人 |
この「地球上で人口が多かった都市ランキング」を歴史を追って見ていくのが私は好きで、さらにそれらの都市を実際に訪ねる旅行も大好きです。現地に行った時はよく「1000年前にはここが世界の大都市だったんだー」などと感慨にふけります。
とても面白いデータなので、Wikipediaの「世界の都市圏人口の順位」や「歴史上の推定都市人口」の項目を参考にもう少し詳しく見てみましょう。
まずは直近の「世界の都市人口ランキング」。一番上が調査主体で、2番目はそれぞれ何年の人口かという情報です。その後、人口の多い順にトップ10の都市圏名をリストしています。
表からひと目で分かるように、東京はどんな調査でみても、世界トップの人口を擁する都市圏です。メトリポリタン・トーキョー! すごいでしょ。私たちは世界一の大都市に住んでいるのです!
さらに、どの調査でもトップ10の大半がアジアの都市です。日本や中国といった東アジアから、インドやバングラディッシュ、パキスタンまで含めると7割以上。いまや「世界の大都市といえばアジア!」なんです。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.