1000年前の世界都市人口ランキングから見えてくるもの:ちきりんの“社会派”で行こう!(2/2 ページ)
多くの人口を抱える中国やインドが世界経済で存在感を示しています。しかし、長い時系列で世界の都市人口ランキングを見ると、今私たちが目にしているものとはまた違った景色が見えてくるようです。
3000年の世界で一番大きな都市は?
次に時系列で見てみましょう。何と紀元前1800年から推計値があります。これを見ると、世界の大都市が存在していたエリアが、過去4000年の間にどう変わって来たかがよく分かります。
テーベはエジプトのルクソールの近くにあった古代都市ですね。その後、長安、ローマ、コルドバと世界トップの都市は移り変わっています。この表にはありませんが、1700年ごろだと江戸もトップ3に入っています。1900年のリストをみると、欧米先進国の都市がずらっと並んでおり、「西欧の時代というのは1900年あたりだったのね」と分かります。
そして、こういう資料を見ていて自然に思い浮かぶ疑問は「3000年のトップ10都市はどこだろう?」というものです。
上位が全部、漢字の都市名だったり、インドと中国だけでトップ10を独占したりなど考えがちですが、そんな風にはならないでしょう。2050年や2100年ならそうかもしれません。でも、1000年というのはとても長いです。今から988年後の3000年に、この地球はどうなっているのか? どんな大陸のどんな都市が栄えているのか。考えるだけでワクワクします。
最後にもう一度、1000年のトップ10都市と2000年のトップ10都市を見てください。日本からは1000年に京都(平安京)が、2000年には東京がトップ10入りしています。こんな小さな島国でありながら、1000年の時を超えて世界の都市人口トップ10にランキングされ続けているニッポン。ちょっとすごいと思いませんか?
いや、だからといって、3000年にトップ10入りしているとか言う気はないですけどね。そもそも国の存続自体怪しいし(?)。
そんじゃーね。
『社会派ちきりんの世界を歩いて考えよう!』(大和書房刊)
ちきりんさんによる新刊『社会派ちきりんの世界を歩いて考えよう!』が5月19日に発売されました。
崩壊前のソビエト連邦から東南アジア、アフリカまで、数十カ国を旅したちきりんさん。世界を旅しながら、考えたことをまとめています。ちきりんさんによる紹介エントリはこちら(「PR)世界を歩くと、ホントにいろいろ考える……」)
著者プロフィール:ちきりん
兵庫県出身。バブル最盛期に証券会社で働く。米国の大学院への留学を経て外資系企業に勤務。2010年秋に退職し“働かない人生”を謳歌中。崩壊前のソビエト連邦など、これまでに約50カ国を旅している。2005年春から“おちゃらけ社会派”と称してブログを開始。著書に『自分のアタマで考えよう』『ゆるく考えよう 人生を100倍ラクにする思考法』がある。Twitterアカウントは「@InsideCHIKIRIN」。
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