世界はつながってしまった!:ちきりんの“社会派”で行こう!(2/2 ページ)
先日、『社会派ちきりんの世界を歩いて考えよう!』を出版したちきりんさん。海外旅行を始めた25年前と比較して、世界は圧倒的につながり始めていると感じているそうです。
世界はつながってしまった!
世界はすでにつながってしまったのです。今までは「日本は豊かな国」だと思っていました。発展途上国に旅をして、「こんな貧しい国があるんだ」と驚いたこともありました。けれど世界がつながれば、これからは「日本にも中国にもアメリカにもブラジルにも、豊かな人もいれば、貧しい人もいる」という世界がやってきます。
「つながる」ということは「混じる」ということです。国境で分断された“国”の果たす役割は、外交や軍事といった分野において、無くなることはないでしょう。けれど、経済や文化、生活分野においては、国や国境の持つ意味は急激に低下すると思われます。
今、それぞれの国には、まだたくさんのその国に固有の社会制度や慣習、考え方が存在しています。しかし次の20年、それらは一気に均一化し、混じり合うでしょう。
私たちは、生まれた国は異なるのに、同じ漫画が好きで、同じ食べ物が好きで、同じような服を着て、同じようなキャリアを歩む“友人”を見つけることができるようになるのです。ベトナムで生まれるか日本で生まれるかの違いは、神奈川県で生まれるか、兵庫県で生まれるか、ほどの違いになっていくでしょう。
今の子どもたちが生きる20年後の世界は、私たちがこれまで生きてきた世界とは大きく異なったものになるはずです。過去25年、私が世界を歩いて見てきたこと、その結論は次のひと言に尽きています。
「世界はすでにつながってしまった!」
そんじゃーね。
『社会派ちきりんの世界を歩いて考えよう!』(大和書房刊)
ちきりんさんによる新刊『社会派ちきりんの世界を歩いて考えよう!』が5月19日に発売されました。
崩壊前のソビエト連邦から東南アジア、アフリカまで、数十カ国を旅したちきりんさん。世界を旅しながら、考えたことをまとめています。ちきりんさんによる紹介エントリはこちら(「PR)世界を歩くと、ホントにいろいろ考える……」)
著者プロフィール:ちきりん
兵庫県出身。バブル最盛期に証券会社で働く。米国の大学院への留学を経て外資系企業に勤務。2010年秋に退職し“働かない人生”を謳歌中。崩壊前のソビエト連邦など、これまでに約50カ国を旅している。2005年春から“おちゃらけ社会派”と称してブログを開始。著書に『自分のアタマで考えよう』『ゆるく考えよう 人生を100倍ラクにする思考法』がある。Twitterアカウントは「@InsideCHIKIRIN」。
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