渋谷ヒカリエが教えてくれた、リニューアルの真髄と覚悟(2/2 ページ)
4月に開業した渋谷ヒカリエ。そのコンセプトからWebマスターが見習うべき「Webサイトをリニューアルすること」の本質的な意義について考えてみた。
渋谷ヒカリエに学べるところ
そして、渋谷ヒカリエがそれ自身によって渋谷を変えるために作られたように、Webサイトのリニューアルにも、その向こうに大きなゴールがあるべきなのです。「サイトをリニューアルすること」は目的ではなく、何かを達成するための手段でしかないのですから。
- それは、サイト訪問者にとってのユーザーエクスペリエンスを次の段階に引き上げることかもしれません
- 検索エンジンやソーシャルメディアとの親和性を改善することかもしれません
- スマホやタブレットを含めたマルチデバイス対応を進めることかもしれません
- 運営サイドのミスを減らし効率をアップさせることかもしれません
- サイトの目的を「売ること」から「売る手前のコミュニケーション」にシフトすることかもしれません
そして大きな変革には、それを明確に示すフラッグシップが重要です。渋谷ヒカリエのような大きくて明確なシンボルがあることで、関係者もお客さんも渋谷の変革をイメージしやすくなり、動きにつながるのです。
さらに渋谷ヒカリエに学ぶところは、「渋谷の人の流れを変える」という大きな動きをしつつ、細かい点でも「面白い」「新しい」といった感性面もこだわっていること。古い百貨店のような画一的なスペースにテナントを押し込む形態ではなく、「あら、ステキね」「カッコいい」と思える雰囲気作りがされているのは、六本木ヒルズあたりから強くなってきた傾向なのでしょうか。
そして、忘れてはいけないのが広報面。宣伝広告やテレビ取材はもちろん、人の話題にのぼるような要素を積極的に含めて表に出していくことで、「へー」「行ってみようかな」「面白そう」のキモチや話題を広げられるのです。
渋谷ヒカリエでは例えばネット系企業の移転だったり、ロブションのパン屋、歌舞伎、ビームス ライツなどですが、Webサイトではもっとさまざまな魅力を考えられますよね。でも、奇をてらいすぎるのではなく、サイトの本来の目的と同じ方向性をもった話題の作り方をするように心がけましょうね。
渋谷ヒカリエはまだ始まったばかり。渋谷の人の流れを大きく変え、その状態がなじむには、しばらく時間がかかるでしょう。9年かけて作ったヒカリエは、「50年前のDNAを引き継ぎ、50年100年先の未来を見すえている」そうです。
あなたのWebサイトは、どれぐらいの時間をかけて、どれぐらい先を見すえて、どれぐらい大きな変革を、何のために起こしますか?(安田英久)
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