コラム
「日経VS. 文春」騒動の裏にある、週刊誌の取材力:相場英雄の時事日想(2/4 ページ)
日本経済新聞社と文藝春秋の間で、トラブルがあった。新聞社トップのスキャンダルを週刊文春が報じ、新聞社側は発行する出版社を訴える方針を示した。事の真偽は別にして、今回は週刊誌の取材力にスポットを当ててみる。
また、通常であれば新潮社の『週刊新潮』とともに並んでいるはずの『週刊文春』の広告がなく、日経事業出版センターの広告が載った。
突然の広告差し替えに対して文春側は抗議文を送るなど、大手紙と老舗出版社が真っ正面からぶつかることになった。
日経社長の行動を数日間追っていた文春側は複数の写真を掲載。一方の日経は、文春記者の取材に応じ、誌面で伝えられた事柄を全面否定した。
結果的に両者の言い分は平行線をたどり、日経による文春への「法的措置」という方向になったわけだ。
本稿の目的は、両者の言い分を精査することではない。また、事の真偽にも私は興味がない。今回は、週刊誌の取材力の凄まじさの一端を読者に知ってもらおうと先の両者の対立を取り上げたのだ。
恐るべき取材力
ここからは、完全に私の想像であることをご了承いただきたい。
おそらく、今回の「日経VS. 文春」の一件、文春側は誌面に反映させていない膨大な量の写真データ、そして緻密な取材メモを有しているはず。抗議を受けた際のデータとなるほか、仮に法廷闘争となった場合、有力な証拠となるからだ。
なぜこんなことに触れたかと言えば、かつて同様のケースを私自身が週刊誌サイドで見ていたことがあるからだ。
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