会話にされやすいニュース、会話にされにくいニュース――その違いは?:ソーシャルインフルエンス(5/5 ページ)
ソーシャルメディア上で盛り上がっている会話に、何らかの傾向はあるのだろうか。会話にされやすいニュース、会話にされにくいニュース――その違いを分析してみた。
このように、ニュースには会話されやすいニュースと会話されにくいニュースがある。ソーシャルインフルエンスを最大化させるためには、記事掲載数や記事の広告露出換算値をゴールにしていてはダメだ。そのニュースがいかにソーシャルメディアでの仲間ゴト化を促進させ、世の中ゴト化を助けたのかが重要なのである。
PRパーソンは、いまこそ「ソーシャルメディアで仲間ゴトされやすい文脈とされにくい文脈」を頭に叩き込み(正確に言うと肌感覚として身につけ)、PRプランニングを行わなければならない。そして、広告やソーシャルメディア業界に属する人は、PRによる「世の中ゴト化」との連携を深める実践的知識を身につけなければならない。
通常のPRであれば、メディアに掲載された時点でひとつのゴールを達成したことになるが、ソーシャルインフルエンスを最大化させるのなら、ソーシャルメディアでの仲間ゴト化が不可欠である。ニュースを見た読者や視聴者が「ふ〜ん、なるほどね」で終わってしまってはダメなのだ。
世の中ゴト化を企てるプランナーは、常に「それは誰もが話題にしたくなるようなコンテクストか?」「友人や知人に共有したくなるような価値があるか?」と(しつこいくらい!)自問自答してほしい。
(つづく)
著者プロフィール:
池田紀行
株式会社トライバルメディアハウス代表取締役社長。マイクロソフト、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン、Z会などのソーシャルメディアマーケティングを手掛ける。近著『キズナのマーケティング』(アスキー新書)。
本田哲也
ブルーカレント・ジャパン株式会社代表取締役。米フライシュマン・ヒラード上級副社長兼シニアパートナー。国内外の大手メーカーなどを中心に戦略PRの実績多数。近著『新版 戦略PR 空気をつくる。世論で売る。』(アスキー新書)。
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