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なぜマスコミは“事実”を報じなかったのか新連載・さっぱり分からなかった、3.11報道(1)(7/7 ページ)

原発事故は「戦後最大のクライシス」と言っていいだろう。しかし新聞を読んだり、テレビを見て、「よく分からなかった」という人も多いのでは。原発報道のどこに問題があったのか、ジャーナリストの烏賀陽弘道氏と作家の相場英雄氏が語り合った。

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烏賀陽:戦後66年間、平時で認識してやってきたニュースバリューが、3.11という戦争級のクライシスが来て、まったく通用しなくなりました。記者というのは最終製品である記事に向かって具体的な動作を組み立てていくわけですが、平時の取材作法で3.11の現場に行っても、通用するはずがない。

 また管理職も、本当のクライシスを取材した経験がありません。かろうじて阪神・淡路大震災の取材経験のある人は、まだましです。「現場に行けば、焼けた死体がゴロゴロ転がってるんだ」「その臭いをかぎながら人の話を聞くんだ」みたいなことを覚えている。しかし、そういう世代は、もうほとんど現場にいないんですね。

 (つづく


福島第一原子力発電所 津波来襲状況(出典:東京電力)
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