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コラム

ノリにのっている企業の社長は、「できるかも」からビジネスモデルを発想する窪田順生の時事日想(3/3 ページ)

2011年度のジャスダック新規上場銘柄の中で株価高騰率1位を果たした企業の社長が本を出した。そこには若きビジネスパーソンも参考になる、「儲かる」ということを論理的につきつめた経営哲学が紹介されていた。

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 あまりにも経営が勘に頼り過ぎていているのです。たとえば、1年間にどれだけの入居者が予想されて、空室はどれぐらいの期間予想されるのか。そうした収入や支出に関する管理が、あまりに大雑把すぎるのです。

 「卵」や「ネット」のように収益の低いビジネスモデルで生きていた者からするとまさしくカルチャーショックだったが、幻滅するよりもむしろ、これを逆に好機ととらえた。

 これだけ無駄の多いドンブリ勘定の業界ならば、まだまだ効率化をはかる余地が山ほどある。それを次のビジネスモデルとして構築できないか――。

 日本管理センターを、アルバイト1名とともに立ち上げました。2002年6月7日のことでした。

 その後、武藤氏は「日本管理センター」成長の礎であり、業界でも画期的な損害保険でリスクヘッジをした独自の「スーパーサブリース」を考案。本書ではその意外なきっかけや、その思考方法なども紹介しているのだが、その根底にあるのは、やはり一貫としている。

 なにか特別な発想をしてきたわけではありません。計数管理ではありませんが、現状を分析して、何が問題なのかを割り出して、きわめて論理的に考えた結果、生まれたものです。

壁にぶちあたっているビジネスパーソン

 なぜ儲からないのか。なぜビジネスがうまくまわらないのか。

 こんな時代だからこそ、壁にぶちあたっているビジネスパーソンは多い。武藤氏は言う。

 うちの社員にもよく話していますが、「できません」という発想からはビジネスはなにも生まれません。「できるかも」という発想からは新しい何かが生まれ、古いパラダイムを壊すことができるのです。

 不動産ビジネス、賃貸経営などに縁がないビジネスパーソンが読んでも、何かしらのヒントを得ることができるビジネス本ではないだろうか。

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