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コラム

鉄道会社が夏休みにもうける方法杉山淳一の時事日想(3/4 ページ)

鉄道業界で夏休みの風物詩といえばスタンプラリー。通勤通学客が激減する時期の増収策だ。その参加者数と経済規模は、駅からさんぽイベントを圧倒する。

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2011年以降は東日本大震災の影響で縮小

 JR東日本に何億円もの収入をもたらしたポケモンスタンプラリー。2011年は大幅に規模を縮小した。ポケモンに詳しい近所の奥さまに聞いたところ、東日本大震災の自粛ムードと、計画停電の混乱を危惧したと噂になったという。「開催しないかもしれないと思っていたので、やってくれただけでも良かった」そうだ。

 そして2012年。規模は昨年とほぼ同じとなっている。かつての大規模なイベントを期待する子どもたちにはもの足りないかもしれない。しかし、辛いのはJR東日本も同じだろう。もっと大々的にやれば何倍もの収入になる。


JR東日本ポケモンスタンプラリー2012のパンフレット(出典:JR東日本)

 もっとも、JR東日本の今年第1四半期の決算短信によると、前年同期比の2.6倍、約590億円の純益があったという。7月27日に発表されたお盆の指定席予約状況では、新幹線が前年比121%、在来線を含めると112%と順調だ。きっと第2四半期も好成績な結果になるだろう。JR東日本にとってポケモンは大事だが、全社の収入から考えると、優先順位を下げざるを得ない。苦渋の采配で実施されているようだ。

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